「年収1200万円でも生活が苦しい」という話題に違和感を覚える方も多いかもしれません。しかし、実際には年収が高くても、支出がそれ以上に膨らめば家計はすぐに苦しくなります。本記事では、なぜ高年収でも”自転車操業”状態に陥るのか、具体的な要因とその背景をわかりやすく解説します。
年収1200万円と手取り額の現実
年収1200万円というと、一般的には”高収入層”とみなされます。しかし、ここから引かれる税金や社会保険料は非常に大きく、実際の手取り額は約850〜900万円前後に落ち着きます。月額で考えると、約70万円強の手取りとなります。
一見すると十分な金額に見えますが、東京や大阪などの都市部での生活では、この金額でも余裕がない家庭も少なくありません。
支出が増える典型的な要因
高収入世帯ほど、支出の水準も自然と高くなる傾向があります。以下のような項目が家計を圧迫することがあります。
- 住宅ローン:都心の分譲マンションや戸建ては月20万円以上の支払いも珍しくありません
- 教育費:私立の中学・高校・塾代・習い事で月10万〜15万円以上
- 自動車費:新車やレクサスなど高級車を所有している場合、維持費も高額
- 保険料:過剰な生命保険・医療保険に月数万円かけているケース
こうした支出が重なることで、たとえ年収1200万円でも実質的に自由に使えるお金は限られます。
見えにくい「隠れ支出」にも注意
高収入家庭では見えにくい支出も存在します。たとえば。
- 交際費・接待費(職場や親族との関係維持)
- お中元・お歳暮・進学祝いなどのイベント支出
- 家電や家具のグレードアップ・メンテナンス
「見栄支出」と呼ばれるような支出も含まれるため、周囲からは裕福に見えても、実情はギリギリということもあります。
年収400万円家庭との違いは「生活水準の固定化」
年収400万円程度の家庭でも堅実な生活をしている世帯は多数あります。違いは、「生活水準を収入に合わせて調整できるかどうか」です。
一度高い水準の生活を始めてしまうと、固定費が膨らみ、収入が減った時や想定外の支出が発生したときに柔軟に対応できなくなります。これが”自転車操業”の典型パターンです。
「お金が足りない」は浪費だけの問題ではない
もちろん浪費傾向の強い家庭もありますが、多くの場合は「気づかない固定費の増加」や「長期的な視点の欠如」が根本的な問題です。
例えば、収入に見合わない住宅ローンを35年で組んだり、学費や老後資金の計画を立てずに日々の支出だけに意識が向いていたりすると、気づいた時には貯蓄がなく、生活は常に綱渡り状態になってしまいます。
まとめ:収入よりも支出のコントロールが重要
年収1200万円という数字だけでは生活の余裕は判断できません。重要なのは「収入に見合った生活設計ができているかどうか」です。どんなに高収入でも、支出が多ければ家計は破綻します。
収入の多寡よりも、家計管理の習慣と支出の見直しが、安定した暮らしの鍵を握っているのです。
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