消費税で社会保障と教育費を全て賄うには？必要な税率を試算

日本の社会保障制度は、健康保険、年金、そして教育費など、多岐にわたる支出を含んでいます。これらの費用を全て消費税で賄うとした場合、どの程度の税率が必要になるのでしょうか。本記事では、その試算と背景を解説します。

現在の消費税の使途

消費税は、社会保障の財源として活用されています。具体的には、年金、医療、介護、少子化対策などに充てられており、消費税法第1条第2項により、その使途が明確に定められています。

日本の社会保障関係費は、2023年度予算で約36.9兆円とされています。これには、年金、医療、介護などが含まれます。また、教育費については、文部科学省の予算が約5.4兆円となっており、これらを合わせると約42.3兆円の支出となります。

2023年度の消費税収は約21.6兆円でした。これは、現在の消費税率10%によるものであり、社会保障と教育費の全額を賄うには不足しています。

社会保障と教育費の合計約42.3兆円を全て消費税で賄うと仮定すると、単純計算で消費税率を約20%に引き上げる必要があります。これは、現在の税率の2倍に相当します。

欧州諸国では、消費税（付加価値税）の税率が20%以上の国も多く、社会保障制度の充実に充てられています。例えば、スウェーデンやデンマークでは25%の税率が適用されています。

日本で社会保障と教育費を全て消費税で賄うには、消費税率を約20%に引き上げる必要があります。これは、国民の負担増を意味するため、慎重な議論と検討が求められます。