最近では、銀行口座を新規で開設する際に、アンケートへの回答を求められるケースが増えています。これは一見すると不審に思えるかもしれませんが、金融機関が求める背景にはいくつかの合理的な理由があります。本記事では、その目的や個人情報の扱い、安全性について詳しく解説します。
なぜ銀行はアンケートを求めるのか
近年、マネーロンダリングや反社会的勢力による金融機関の利用を防止する観点から、銀行は新規口座開設時に「取引時確認」や「実質的支配者の確認」など、より詳細な情報を収集するよう義務付けられています。これは「犯罪による収益の移転防止に関する法律」に基づいています。
また、将来的な資産運用ニーズの把握や、顧客に適したサービス提供を目的に、アンケート形式でライフスタイルや金融資産の状況を尋ねることもあります。
アンケート内容はどのようなものか
銀行によって異なりますが、よくある設問は以下のようなものです。
- 職業・勤務先・年収
- 家族構成
- 預金額や保有資産の概要
- 投資経験の有無
- 住宅の所有状況(持ち家か賃貸か)
これらは、単なるマーケティング目的ではなく、リスク管理や顧客本人確認の一環として扱われています。
アンケートに回答しないと口座は作れないのか
多くの銀行では、アンケートへの回答が「任意」であるように記されていますが、実際には回答がないと手続きが進まないケースもあります。これは、リスクが不明な顧客に対して新規口座を開設すること自体が銀行側のリスクになるためです。
特に口座開設が多い地方銀行では、反社会的勢力の排除や不正利用防止を徹底しているため、記入拒否=開設不可となる場合もあります。
個人情報は安全に管理されているのか
金融機関は個人情報保護法に基づき、収集した情報を厳格に管理する義務があります。また、銀行内部でも情報へのアクセスは制限されており、営業担当や窓口職員が勝手に情報を流出させることは原則としてありえません。
とはいえ、プライバシーへの不安がある場合は、必要最小限の情報で済むよう交渉したり、インターネット専業銀行の利用を検討するのも選択肢の一つです。
正直に書いている人はどのくらいいるのか
実際、多くの人がある程度は正直に記入しています。特に職業や収入、預金残高の記入については、金融機関との信頼関係を築く第一歩として考える人も少なくありません。内容に大きな虚偽があると、のちの審査や取引で問題になることもあるためです。
ただし、回答が不安な場合は「非公開にしたい」と意思表示することで、対応してくれる銀行もあります。
まとめ:安心して口座開設するために
銀行のアンケートは、犯罪対策や顧客サービス向上を目的とした正当な手続きの一環です。過度に警戒する必要はありませんが、不安がある場合は事前に銀行に質問したり、インターネットバンキングなど別の選択肢も検討してみましょう。情報の取り扱いに関する説明義務は銀行側にもあるため、納得したうえで手続きを進めることが大切です。
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