引っ越し直後や暖かい季節でもガス代が高いと感じることは少なくありません。特にプロパンガス(LPガス)を使用している家庭では、その料金体系に驚かされることもあるでしょう。この記事では、二人暮らしで月8,500円のガス代が「普通」なのか、どのような要因が影響しているのかを具体的に解説します。
プロパンガスの料金体系を理解しよう
プロパンガスの料金は「基本料金+従量料金」という2部構成が一般的です。基本料金はガスの使用量に関係なく毎月固定で発生し、多くの業者で2,000円前後となっています。従量料金は使用したガスの量に応じて発生し、1㎥あたり300〜600円以上と地域や業者によって差があります。
たとえば、6.1㎥を使用し、1㎥あたり単価が500円だと仮定すると、3,050円の従量料金に加えて、基本料金2,200円+税+原料費調整額などを含めると8,000円を超えることも十分に考えられます。
都市ガスとの料金比較:実は2倍以上の差も
同じ6.1㎥の使用量でも、都市ガスであれば3,000円〜4,000円程度で済むことが多いため、プロパンガスはかなり割高です。その理由はプロパンガスがボンベ配送であることや、業者の自由価格制が関係しています。
都市ガスのような公共料金ではないため、業者が自由に料金設定できることから、同じ地域内でも価格差が1.5倍〜2倍以上あることも。引っ越し時に契約業者を選べない物件では注意が必要です。
二人暮らしの平均ガス使用量と金額は?
環境省の統計によると、二人暮らしの平均的なガス使用量は月5〜8㎥ほどで、プロパンガスを使用している世帯では6,000〜9,000円前後が一般的なレンジです。したがって、月8,500円という金額は極端に高いわけではありません。
ただし、「料理は週3回のみ」「シャワー中心」「ケトルやレンジを活用」など、省エネ意識が高い暮らしでこの金額であれば、やはり高めに感じるのも無理はありません。
プロパンガス代を節約する現実的な方法
- ガス会社に交渉する:集合住宅でも相談で単価引き下げの可能性あり
- シャワー時間を5分短縮:1日5分短縮で年間数千円の節約に
- お湯の温度を見直す:42℃→38℃に下げるだけで大幅削減
- 電気調理器具を活用:IH調理器や電子レンジ、電気ポットの積極利用
また、他の住民と料金情報を共有することも有効です。大家や管理会社を通じて業者に見直しの話を持ちかける際、複数の声があると交渉が進みやすくなります。
知らないと損?プロパンガスは自由料金
意外と知られていないのが、プロパンガスは「自由料金制」であるという点です。これは法律上、業者が価格を自由に設定できるため、高くても不正ではないという仕組みになっています。
ただし、自由料金である以上、比較・交渉・切り替えが可能な場合もあります。特に戸建てにお住まいの方は、他社の見積をとるだけでも大きなコストダウンにつながる可能性があります。
まとめ:高めでも「よくある水準」だが、改善は可能
プロパンガスの料金が高いと感じるのは当然であり、実際に都市ガスとの価格差や使用実感にギャップがあります。ただし、6.1㎥で8,500円というのは、プロパンガス業界の平均水準であり、異常な請求ではないケースが多いです。
それでも生活の負担を感じるようであれば、使用習慣の見直し・交渉・情報共有・他の熱源の検討といった対策をとることで、費用削減は十分に可能です。
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