自己破産後の自動車保険はどうなる？継続の可否と支払い義務の実情を詳しく解説

自己破産をすると生活に関わる様々な契約や支払いに影響が出る可能性があります。中でも自動車を所有している場合、「自動車保険はどうなるのか？」という疑問を持つ方も少なくありません。本記事では、自己破産後の自動車保険の取り扱いや継続の可否、支払い義務について解説します。

自己破産は任意保険の支払い義務を免除するのか？

まず、自己破産は任意保険の未払保険料を「債務」として免責される可能性があります。つまり、破産手続き前の未払いがある場合、それを免除してもらえることがあります。ただし、これはあくまでも保険料が「支払い済みではない過去のもの」であることが条件です。

一方で、自己破産後も契約を継続する場合は、その後の保険料については当然ながら支払い義務が生じます。保険会社との契約が継続される限り、その都度の支払いは必要になります。

保険会社によっては、自己破産した契約者に対し、契約の継続を拒否するケースもあります。これは、信用情報に自己破産の記録が登録されており、それが保険会社の審査に影響するためです。

特に分割払い（口座振替・クレジット）で保険料を支払っていた場合、信用リスクと判断される可能性が高く、一括払いを求められることがあります。保険の更新時に断られる場合もあるので、事前に保険会社へ確認しておくことが重要です。

自動車を所有・運転する以上、自賠責保険（強制保険）への加入は法律上の義務です。自己破産していても、車検の際に自賠責保険への加入が必須であり、これを怠ると車検が通らず、運転も違法になります。

ただし、自賠責保険は任意保険と異なり信用審査などがないため、保険料さえ支払えば加入できます。等級や補償内容も固定であり、自己破産の影響を受けにくい保険です。

実際に自己破産を経験した方の中には、「一括払いに変更することで保険を継続できた」という事例もあります。また、「等級を維持するために配偶者名義に変更した」など、保険継続のための工夫をしている方もいます。

例えば、35歳男性・自営業のAさんは破産手続き後、更新時に一括払いを選択することで等級を引き継ぎ、同じ保険会社で継続できました。事前に相談することで、柔軟に対応してくれる保険会社もあります。

信用情報に影響が出る自己破産ですが、工夫次第で保険契約の継続や新規加入も可能です。

自己破産をしたからといって、自動的に自動車保険の支払い義務が消えるわけではありません。未払いの保険料については免責対象になることもありますが、今後の契約や支払いには当然責任が伴います。

任意保険の継続を希望する場合は、一括払いへの変更や保険会社への事前相談を行いましょう。自賠責保険は必ず加入が必要なため、保険の見直しを含め、現実的なプランを検討することが重要です。