就職してすぐの時期に通院予定がある場合、「まだ保険証が届いていない」「マイナ保険証も更新されていない」といった状況に不安を感じる方も多いのではないでしょうか。とくにMRIなど高額な検査があると、自費負担の金額も気になります。本記事では、保険証が手元にない状態で医療機関を受診する場合の対応方法や、後から健康保険の給付を受けるための流れについて詳しく解説します。
保険証が未発行でも医療機関を受診できる?
結論から言えば、保険証がまだ手元になくても医療機関の受診は可能です。ただしその場合は、いったん医療費を全額自己負担(10割負担)で支払う必要があります。MRI検査がある場合、1件あたり数万円以上になるケースもあります。
たとえば大学病院など大規模医療機関では、保険証が未提示のまま保険扱いにすることができないルールのところが多く、当日支払いが求められます。
後日、保険が適用される「療養費の支給申請」とは?
保険証を提示できなかった場合でも、あとから払い戻しを受けることができます。これは「療養費の支給申請」という制度で、後日、健康保険組合に申請することで、差額(自己負担3割を除く7割)が戻ってくる仕組みです。
具体的には以下のような流れになります。
- 診療明細書と領収書を保管しておく
- 会社から保険証が届いたあと、健康保険組合に「療養費支給申請書」を提出
- 審査後、指定口座に差額分が振り込まれる
この手続きには1〜2か月ほどかかる場合がありますが、正当な理由があれば問題なく適用されます。
同月内の診療費をまとめて処理することはできる?
同じ月内に別科で通院がある場合、「まとめて手続きできるのでは?」と考える方も多いでしょう。確かに療養費支給申請では、月ごとの申請が可能なため、複数の診療をまとめて申請することは可能です。
ただし、医療機関によってはその都度支払いを求められるため、まとめて処理できるのはあくまで申請時の話になります。診療時の支払いは原則としてその場で必要です。
大学病院などの大規模医療機関の対応は?
大学病院などでは、厳格に運用されていることが多く、「後日保険証を持参して保険扱いに変更」という対応ができない場合もあります。つまり、保険証が提示できなければその場で10割支払いとなる可能性が高いのです。
ただし、一部の病院では「後日、保険証を持参すれば清算できる」旨を案内している場合もあります。受付や会計時に必ず事前確認を行うようにしましょう。
会社に確認すべきポイント
入社後の保険証の発行には1週間〜2週間かかることが多いです。早めに人事担当者に次の点を確認しておきましょう。
- 保険証の発行状況と見込み日
- 健康保険組合の種類(全国健康保険協会か、組合健保か)
- 療養費支給申請に必要な書類の案内
また、場合によっては保険証の代わりに「資格取得証明書」を発行してもらえることがあります。これを医療機関に提示すれば、その場で3割負担で済む場合もあります。
まとめ:保険証がなくても慌てず対応を
入社直後に保険証が届いていない状態でも、通院や検査は可能です。ただしその際は全額負担になることが多いため、事前に医療機関や会社に確認し、領収書の保管と療養費支給申請を忘れず行うことが大切です。
再来週の通院時までに保険証が届かない場合でも、焦らず冷静に準備しておきましょう。申請すれば後から払い戻しされる制度が整っているので、無駄な出費にはなりません。
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