退職後、会社の健康保険から抜けたあとに国民健康保険への加入を忘れてしまう方は意外と多くいます。「何も届いていないけど大丈夫?」「加入していないことを役所が教えてくれる?」と不安になるのも無理はありません。この記事では、国民健康保険に未加入だった場合に起きることや、通知の有無、後からの手続き方法について詳しく解説します。
退職したら自分で国保に切り替える必要がある
退職して会社の健康保険を喪失した場合、自動的に国民健康保険に切り替わることはありません。自分で市区町村の役所に行って加入手続きをする必要があります。
「任意継続」を選ばず健康保険から抜けたままだと、「無保険」の状態になってしまい、病院にかかっても10割自己負担になるなどのリスクがあります。
未加入でも市から通知が届くことはある?
実際には、市区町村が職場の社会保険喪失情報を国のデータベース(被保険者資格喪失連絡票など)から把握することができるため、役所側から「国民健康保険への加入をしてください」といった通知が届くことがあります。
ただし、これはすべての自治体で一律に行われるわけではなく、通知が来るまでに数か月かかることもあります。さらに、転出入や転職のタイミングによっては通知自体が届かないケースもあるため、過信は禁物です。
加入手続きを忘れていたらどうなる?
加入を忘れていても、「国保に加入すべきだった日」にさかのぼって保険料を請求されることになります。たとえば5月末に退職し、8月に加入した場合、6月・7月分の保険料も遡って支払う必要があります。
さらに、医療費を自費で払っていた場合でも、あとから保険証をもらって「療養費払い戻し」の申請をすれば、一部が戻ってくる可能性もあります。
すぐに手続きすべき理由と持ち物
加入手続きはなるべく早く行いましょう。遅れると保険料の一括請求や、給付制限(例えば高額療養費の対象外)など不利益が出る恐れがあります。
手続きに必要な主な持ち物は次のとおりです。
- 身分証明書(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 退職日が分かる書類(離職票、退職証明書など)
- マイナンバー
- 印鑑(認印)
市区町村によって若干異なる場合があるので、事前に役所のウェブサイトで確認するか、電話で問い合わせておくのが安心です。
実例:通知が来たけど見逃していたケース
ある30代の会社員は退職後に引越しをして住所変更が遅れた結果、旧住所に「加入してください」の通知が届いていたが気づかず、約4か月後に役所から督促が届いて初めて未加入に気づいたという例もあります。
このように、通知が来ても必ずしもすぐ気づけるとは限らないため、退職後は自主的に早めに手続きをする意識が必要です。
まとめ:国保未加入でも通知は来る可能性あり。ただし自己判断が基本
国民健康保険の加入を忘れていても、多くの自治体ではデータ連携により通知が届くケースがあります。しかし、届かないこともあるため、加入義務があるのに放置していると、後から保険料の一括請求や医療費の負担増につながるリスクがあります。
退職後は速やかに国保の加入手続きを行うことが、自身の生活と健康を守る第一歩です。
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