退職して収入がゼロの状態なのに、届いた国民健康保険料の通知に驚いたことはありませんか?「所得等変更のため」と書かれていたものの、何がどう変わって支払額が増えたのか、分かりにくい場合もあります。この記事では、収入ゼロでも保険料が急増する仕組みと、その対処法について詳しく解説します。
国民健康保険料は「前年の所得」で決まる
まず知っておきたいのは、国民健康保険料は「今年の所得ではなく、前年の所得」を基に計算されるという点です。つまり、2024年に退職して収入がゼロになっても、2023年に一定以上の収入があった場合は、その所得をもとに保険料が計算されてしまいます。
たとえば、前年に年収400万円の会社員だった人が今年退職し収入ゼロになっても、今年の保険料はその400万円ベースで設定されるため、毎月数万円の請求が来るということも珍しくありません。
「所得等変更」とは何を指すのか?
通知書にある「所得等変更」は、住民税の確定や前年所得の反映による再計算が行われたことを意味します。これは多くの自治体で、6月から7月頃にかけて住民税のデータが国保に連動され、保険料が再設定されるタイミングです。
そのため、当初は「均等割・平等割のみ」で低めに仮決定されていた保険料が、所得割を加味して一気に3〜4倍に跳ね上がることがあります。
退職後すぐの人におすすめの「減免制度」
退職直後に収入が大幅に減少する場合、多くの自治体では「所得激減による保険料減免」の制度を設けています。以下のような条件に該当する方は、申請によって保険料を大幅に軽減できる可能性があります。
- 前年は一定以上の所得があった
- 今年の収入見込みが著しく少ない
- 退職・廃業・倒産・離婚などの理由による
減免は申請しない限り適用されませんので、通知を受け取ったら速やかに市区町村窓口へ相談することをおすすめします。
申請に必要な書類と手続き
国保の減免申請には、以下の書類を求められることがあります。
- 退職証明書や離職票
- 収入見込申告書(市区町村所定の様式)
- 前年分の収入証明(確定申告控えや源泉徴収票)
各自治体によって細かな書類は異なるため、あらかじめ公式サイトを確認するか、電話で問い合わせておくとスムーズです。
それでも支払いが厳しい場合は?
減免を申請しても、なお支払いが困難な場合には、分割納付や徴収猶予といった対応をしてもらえる場合もあります。市区町村により「福祉的な判断」が柔軟に行われるため、無理せず早めに相談することが重要です。
放置してしまうと延滞金や財産差押えのリスクもあるため、事情を正直に話すことが大切です。
まとめ:驚きの保険料は「前年の所得」と「反映タイミング」が原因
・収入ゼロでも保険料が高いのは「前年の所得」が影響している
・通知書の「所得等変更」は住民税データの反映による再計算
・減免制度を利用すれば保険料を大きく軽減できる可能性がある
・申請は早めに行うのが得策。分割納付も視野に入れよう
退職後の国保は、仕組みが複雑で誤解も生じやすいため、まずは状況を整理し、必要に応じて行政窓口に相談することが最善策です。
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