企業型確定拠出年金（日本版401k）と個人型確定拠出年金（iDeCo）は、将来の老後資金を積み立てるための重要な手段ですが、それぞれの特徴や運用方法に違いがあります。企業型確定拠出年金に加入している場合、個人型確定拠出年金（iDeCo）を併用できるのかどうかについて疑問に思う方も多いでしょう。今回は、これらの制度について詳しく解説し、両者をどう活用すればよいかを紹介します。
1. 企業型確定拠出年金（日本版401k）とは？
企業型確定拠出年金は、企業が従業員のために積立てる年金制度です。一般的に、企業が一定額を積立て、従業員がその資産を運用します。企業型確定拠出年金は、年金受け取り時に税制上の優遇が受けられるため、老後資金の準備として非常に有効な手段となります。
ただし、企業型確定拠出年金は、加入者の会社が設定した運用商品から選ぶことになります。また、積立金額は企業が決めるため、個人の自由度は限られます。退職後には、積立てた資産を個人型確定拠出年金（iDeCo）に移行することが可能です。
2. 個人型確定拠出年金（iDeCo）とは？
個人型確定拠出年金（iDeCo）は、自分自身で積立額を決め、運用商品を選択できる年金制度です。積立金は毎月少額から始められ、税制上の優遇を受けながら老後資金を積み立てていきます。iDeCoの最大のメリットは、積立額に対して所得控除が適用されるため、税金面での優遇が受けられる点です。
iDeCoは、企業型確定拠出年金とは異なり、完全に個人の意思で運用することができます。自身で運用商品を選ぶことができるため、リスクを抑えつつ老後資金を準備することが可能です。
3. 企業型確定拠出年金とiDeCoの併用は可能か？
結論から言うと、企業型確定拠出年金に加入している場合でも、個人型確定拠出年金（iDeCo）を併用することが可能です。しかし、企業型確定拠出年金の掛金がある場合、iDeCoでの積立額は一部制限があります。
具体的には、企業型確定拠出年金の加入者がiDeCoを利用する場合、iDeCoへの掛金額は「月額12,000円まで」となります。この制限は、企業型確定拠出年金の掛金が積み立てられていることが前提となっており、個人型での積立額が限定される理由です。
4. 企業型確定拠出年金からiDeCoへの移行
退職後、企業型確定拠出年金に積み立てられていた資産は、個人型確定拠出年金（iDeCo）に移行することが可能です。この場合、企業型確定拠出年金で積立てた資産をそのままiDeCoで運用を続けることができます。移行後は、個人型確定拠出年金の運用商品を選んで資産を運用することになります。
移行手続きは、企業側の手続きが完了した後、iDeCoを取り扱う金融機関で手続きが行えます。この際、税制上の優遇措置を引き続き受けることができるため、資産運用において有利な状況を維持することができます。
5. まとめ
企業型確定拠出年金と個人型確定拠出年金（iDeCo）は、それぞれ異なる特徴を持ちますが、併用することが可能です。企業型確定拠出年金に加入している場合でも、iDeCoでさらに積立を行うことができます。ただし、iDeCoへの掛金額には制限があるため、その点を理解した上で運用を行うことが大切です。
退職後は、企業型確定拠出年金を個人型確定拠出年金に移行して引き続き運用を行うこともできるため、老後資金の準備を確実に進めることが可能です。iDeCoを上手に活用して、将来の安定した生活を目指しましょう。
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