正社員を退職し、次の就職まで1カ月だけアルバイト勤務となるケースでは、健康保険や年金の手続きに迷うことがあります。今回は「社会保険に入らなければならないか?」「国民健康保険でいいのか?」といった判断ポイントをわかりやすく解説します。
社会保険加入の基準は「週の労働時間・日数」
パートやアルバイトであっても、条件を満たせば社会保険(健康保険+厚生年金)に加入義務が生じます。加入基準は以下のとおりです。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 月収が8.8万円以上
- 勤務期間が2カ月超見込み(雇用契約書で確認)
- 従業員数101人以上の企業(または501人以上の特定法人)
これらすべてを満たす場合は、アルバイト先でも社会保険加入が必要です。
反対に、週9〜15時間程度の勤務であれば「20時間未満」に該当するため、社会保険の加入義務は原則発生しません。
正社員退職後の保険は国保 or 任意継続
正職員を退職すると、以下3つの選択肢があります。
- ① 国民健康保険に加入
- ② 社会保険の任意継続(最大2年間)
- ③ 扶養に入る(配偶者の保険に加入可なら)
今回のように1カ月だけ無職に近い期間がある場合は、「国民健康保険」か「任意継続」のどちらかが現実的です。
国保加入の手続き方法と必要書類
国民健康保険に切り替える場合、以下の書類を持って退職翌日から14日以内に市区町村役所で手続きを行います。
- 退職日が記載された「健康保険資格喪失証明書」
- 本人確認書類(運転免許証等)
- 印鑑・マイナンバー
なお、保険料は前年の所得に応じて決まるため、一定の負担を見越しておく必要があります。
任意継続の特徴と比較
社会保険を2年間そのまま継続できる「任意継続被保険者制度」も選択肢です。
ただし、自分で全額(会社負担分+自己負担分)を払うことになり、保険料は意外と高くなるケースもあります。
保険料比較のポイント:
制度 | 保険料の目安 | 手続き先 |
---|---|---|
国民健康保険 | 前年収入ベース。所得低いと安い | 市区町村 |
任意継続 | 標準報酬月額の全額負担 | 前職の健康保険組合 |
実例:1カ月アルバイト後に就職が決まっているケース
・今月末に正社員を退職、来月は週10時間ほどのバイトのみ
・再来月に新しい正社員の職場が決定済み
→このような場合は、「1カ月のみ国保加入」が最もスムーズ。バイト先で社会保険に加入する必要は原則なし。
ただし、バイトを継続する場合、再就職後の勤務形態により、社会保険加入のダブル適用(W加入)などにも注意が必要になります。
まとめ
正職員を退職し、1カ月だけ週10時間程度のアルバイトをする場合、バイト先での社会保険加入は不要なケースが多く、その間は国民健康保険への切り替えが一般的です。
ただし、加入条件や扶養の可否などはケースバイケースのため、退職前に市役所と前職の保険組合の両方に確認しておくと安心です。
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