自動車保険は等級によって保険料が大きく変わるため、賢く契約すれば年間数万円以上の差が出ることもあります。特に若年層では保険料が高くなりやすいため、親の高い等級を引き継ぐ方法を活用する人も増えています。しかし、この仕組みには誤解されやすい点もあります。この記事では、親の等級を子が引き継ぐ方法の仕組みや注意点をわかりやすく解説します。
等級とは?保険料に直結する仕組み
自動車保険の等級制度は、事故の有無や契約の継続年数に応じて等級(1~20等級)が決まり、等級が高いほど保険料が割安になる仕組みです。新規契約の場合は6等級からスタートし、事故がなければ毎年1等級ずつ上がっていきます。
たとえば20等級では保険料が約50%割引になることもあるため、若者が6等級で加入するよりも、親の高等級を引き継ぐ方が大幅にコストを抑えられます。
親の等級を引き継ぐ「ノンフリート等級の名義変更」とは?
「等級の引き継ぎ」とは、親が持っている保険契約を解約または譲渡し、その等級を子供が引き継いで契約することを指します。これを「ノンフリート等級の名義変更」と言い、以下のような条件を満たすと可能です。
- 同居または生計を一にしている親族である
- 譲渡後、親は車を使用しない、または別の契約で6等級から再スタートすることに同意している
- 保険会社が等級引き継ぎに対応している(多くの大手損保は可能)
親はその等級を手放す代わりに、新たに車を購入して保険に入る場合は低い等級から始める必要があります。
なぜ親がわざわざ等級を譲るのか?家計全体で見ればメリット大
一見すると「親の保険料が高くなるのでは?」と思われがちですが、家計全体で見ると、若い子どもの保険料を抑える方がトータルで得になることが多いのです。
たとえば子が新規6等級で年間15万円かかるところを、親の20等級を引き継げば年間8万円程度に抑えられる可能性があります。親は車を手放す・もしくはほとんど運転しないなら、保険に入らず済むか、軽自動車の低リスク車で6等級からでも数万円で済みます。
実例:名義変更による等級継承の流れ
例として、Aさん(20代)は初めて車を購入し保険加入を検討。しかし保険料が高額だったため、同居の父親(20等級)から等級を譲り受ける形で保険契約を締結。
父親は車を手放したため、保険を解約。Aさんは20等級スタートで年間の保険料が約半額に。父親の協力で保険料を大きく節約できたケースです。
等級を引き継ぐときの注意点
以下の点には注意が必要です。
- 一度譲った等級は戻せない(親が再度高等級に戻るには時間がかかる)
- 保険会社ごとに制度の運用が異なるため事前確認が必須
- 親が車を使い続ける場合、譲渡は非現実的
また、等級の継承は「同居の親族」または「生計を一にしている親族」に限られ、他人や別居の兄弟などでは原則不可です。
まとめ:家族間で賢く活用すれば保険料を大幅に節約できる
親の等級を引き継いで自動車保険を契約する方法は、保険料を大きく抑えたい若年層にとって有効な手段です。ただし、制度の仕組みや条件、家族のライフスタイルに応じた判断が必要です。
家計全体で見てどちらが得かを話し合いながら、無理のない形で賢く等級制度を活用しましょう。
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