ドル建て終身保険は、外貨で資産を運用しながら死亡保障も確保できる商品ですが、その仕組みが複雑で「加入したけど本当に得なのか?」と悩む方も多いです。特に7年ほど経過したタイミングで解約すべきか継続すべきか、判断に迷う場面が増えます。この記事では、マニュライフ生命の「無配当外貨建終身保険(積立利率変動型)」に焦点を当て、解約と継続それぞれのメリット・デメリットを解説します。
ドル建て終身保険とはどんな商品?
ドル建て終身保険は、米ドルなど外貨で保険料を払い、外貨で資産を運用していく保険です。終身保障が続く一方で、為替の影響や途中解約時の返戻金の少なさがネックになることがあります。
マニュライフ生命のこの商品では「最低保証利率」が設定されており、運用がマイナスになるリスクは抑えられていますが、短期で見ると損失が出やすい構造です。
なぜ今、解約すると40万円の赤字になるのか?
ドル建て終身保険は初期に手数料や死亡保障のコストが大きく引かれるため、加入から10年未満は返戻金が元本を下回るのが一般的です。
たとえば、月2万円を7年間払い続けた場合、総額168万円に対し返戻金が128万円というケースもあり得ます。この差額は保険のコストと運用利率、そして為替変動に起因します。
解約すべきか?継続すべきか?判断のポイント
継続を検討すべきケース:
- 保障機能が必要(相続や死亡保険金目的)
- ドル資産として外貨建運用を続けたい
- 10年・15年・20年後の返戻金を重視している
解約も視野に入れるべきケース:
- 損失リスクが精神的ストレスになっている
- 積立NISAなどの資産運用に切り替えたい
- 為替リスクを取りたくない
なお、解約以外にも「払済保険(はらいずみ)」や「一部減額解約」など、保険料の支払いを止めて保障を維持する方法もあります。
他の選択肢:積立NISAとの違いと比較
積立NISAは非課税で資産形成ができる制度で、資金の自由度が高く、すべてが運用資産に回るのが特徴です。ただし、元本保証はありません。
一方、ドル建て終身保険は保障付きであり、長期で保有すれば元本超えの可能性もありますが、途中解約時には大きなマイナスになることもあります。
実例:7年後に見直して判断したケース
例:Bさん(30代男性)は、ドル建て保険を7年間で総額150万円支払ったものの、解約返戻金は105万円。家族構成やライフプランにより保険保障が不要と判断し、解約。以後は積立NISAに切り替え、月3万円を投資信託に積立し、10年後に約1.3倍に増加。
一方、同じくCさん(40代女性)は返戻金が元本回復するまであと3年というタイミングだったため継続を選択。最終的に15年で元本超えを達成。
まとめ
✔️ ドル建て終身保険は初期解約で元本割れが起きやすい商品
✔️ 保障重視か資産運用重視かで判断が分かれる
✔️ 積立NISAは自由度が高く、運用益非課税のメリットあり
✔️ 解約の前に「払済」や「部分解約」なども検討してみよう
最終的な判断は、「何のためにお金を準備するか」によって変わります。解約を焦るのではなく、目的と期間、リスク許容度を整理し、納得できる選択をしましょう。
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