「週20時間未満で働いているから社会保険は関係ない」と思っていませんか?実は今後の法改正や雇用形態の変化によって、その常識が変わる可能性があります。本記事では、現時点の制度とあわせて、将来の動向についても詳しく解説します。
現在の社会保険加入基準とは?
2022年10月以降、短時間労働者への社会保険加入義務が拡大されました。現在の制度では、週20時間以上働き、かつ一定の要件を満たす場合に社会保険加入が義務付けられます。
要件は以下の通りです。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 月収が88,000円以上
- 勤務期間が2カ月超見込み
- 学生でない
- 従業員数51人以上の企業に勤務
つまり、現在のところは「週20時間未満」の働き方では、原則として社会保険加入義務はありません。
将来的に週20時間未満でも加入義務が発生する可能性は?
政府はパートタイム労働者の社会保険加入をさらに拡大する方向で検討を進めています。たとえば、従業員数の基準引き下げ(51人→5人など)や、労働時間に関する要件の緩和が議論されています。
2024年にも追加の制度改正が予定されており、今後数年で「週20時間未満」の労働者も対象になる可能性は十分にあります。
例外的に加入が必要になるケースも
たとえ週20時間未満でも、以下のようなケースでは社会保険加入が発生することがあります。
- 複数の職場を掛け持ちし、合算で要件を満たす場合
- フリーランス契約だが、実態は雇用とみなされる場合(偽装請負)
- 特定の労働協約で加入対象になっているケース
これらは例外ですが、知らないうちに条件に該当していることもあるため注意が必要です。
事業者側の対応と加入促進の動き
厚生労働省は、将来的に全ての労働者に公平な年金・医療制度を提供する方針を掲げており、事業者にも対応を求めています。中小企業や個人事業主にとってはコストの問題もありますが、労働者保護の観点で加入義務の拡大は続く見込みです。
たとえば、大手小売チェーンなどでは、現在でも週20時間未満の契約社員を独自に社会保険に加入させているケースも存在します。
今後の社会保険制度の動向に注目を
政府は「全世代型社会保障制度改革」の一環として、非正規労働者への社会保険適用範囲を広げていく方針です。少子高齢化による財源不足を背景に、より多くの人に保険料を負担してもらう必要があるためです。
そのため、たとえ今は週20時間未満で加入義務がない場合でも、将来的には加入を求められる可能性が高いと言えるでしょう。
まとめ:今は対象外でも将来は加入の可能性大。最新情報をチェックしよう
現在のところ、週20時間未満の労働者は社会保険の加入義務は原則ありませんが、今後の法改正次第ではその条件が変わる可能性は十分にあります。
「今は大丈夫だから」と油断せず、自身の働き方や勤務先の方針、最新の法制度を定期的に確認することが重要です。将来的な社会保険加入に備えて、労働契約書の見直しや年金事務所への相談も検討しておきましょう。
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