ダブルワーク中に「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を提出している場合、退職によって状況が変わった際の手続きは見落としがちです。この記事では、所属先の変更が必要なケースや手続きの具体例を解説し、安心して社会保険を継続できるようサポートします。
二以上事業所勤務届とは何か
厚生年金保険や健康保険において、2社以上で働く場合にどちらの事業所を「主たる所属」として扱うかを届け出るための制度です。これにより、保険料の納付や保険証の発行先が明確になります。
たとえば、A社とB社で勤務していて、A社を主たる所属と選択していれば、保険証もA社から交付され、保険料もA社を基準に計算されます。
主たる所属先を退職した場合の対応
今回のように主たる所属として選択していたA社を退職した場合、そのままでは社会保険の状態が宙に浮いてしまうおそれがあります。放置すると保険資格の不整合が起き、後で未納扱いや保険証無効などのトラブルにつながる可能性があります。
このため、残ったB社を新たな主たる所属先として再届け出を行う必要があります。
必要な手続き:「二以上事業所勤務届」の再提出
A社を退職した後は、B社を主たる所属として「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を再度提出する必要があります。この手続きは通常、B社の人事・労務担当者が行うため、退職後すみやかにB社へ報告しましょう。
提出しないと、保険証の発行が遅れたり、保険料の請求先が不明になるリスクがあります。
再提出にあたっての注意点
- 退職日を過ぎてからの提出でも問題ありませんが、早めに手続きするのが望ましいです。
- 再提出の際は、前回の届け出の控えがあればスムーズに進むことがあります。
- 勤務状況や勤務時間・賃金額によっては、B社単独での社会保険適用条件を満たさないケースもあるため、勤務時間が少ない場合は国保や国民年金への切り替えが必要になる可能性もあります。
実際の手続き例とよくある質問
例1: A社(週4日勤務)を主たる所属としていたが、B社(週5日勤務)のみが残った。→ B社が自動的に単独加入扱いとなるが、所属変更届の提出は必要。
例2: A社退職後、B社の勤務が週2日のみの場合。→ 社会保険適用要件を満たさない可能性があり、資格喪失となることも。
よくある質問:
Q. B社はパート勤務ですが、所属変更できますか?
A. 週の所定労働時間が20時間以上であれば原則として可能です。
まとめ:退職後は速やかな手続きが安心のカギ
二以上事業所勤務届を提出している場合、主たる所属先の退職後は、残った勤務先にて再届け出を行う必要があります。何もしなければ社会保険の資格が一時的に未整備となる恐れがあるため、B社の人事担当者と早めに連携を取り、正しい手続きを進めることが大切です。
厚生労働省の公式ガイドラインや協会けんぽのサイトも参考になりますので、必要に応じて協会けんぽ公式サイトをご確認ください。
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