小学生の医療費が安くなる仕組みとは?マル子制度と高額療養費制度をやさしく解説

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お子さんが手術や入院を受けたにもかかわらず、医療費の自己負担が非常に安く抑えられていた――そんな経験をされる保護者の方も多いのではないでしょうか。この記事では、子どもの医療費が安くなる理由として代表的な「マル子制度(子ども医療費助成制度)」と「高額療養費制度」について、わかりやすく解説します。

子ども医療費助成制度(マル子制度)とは?

通称「マル子」と呼ばれる子ども医療費助成制度は、都道府県や市区町村が独自に実施している制度で、中学生以下や高校生までの子どもが医療機関を受診した際に自己負担額を軽減することが目的です。

助成内容や対象年齢、窓口負担額(無料~数百円)は自治体ごとに異なりますが、例えば東京都では医療費は原則無料、千葉県などでは一部自己負担があるというように差があります。

手術費が高額でも請求額が少ない理由

保険診療の医療費は、手術費などが含まれていれば数十万円〜数百万円になることもあります。しかし、健康保険適用で3割負担となり、さらに「マル子制度」の対象であればその3割分の自己負担額まで助成されるため、窓口負担が数千円〜1万円以下で済むというケースも多く見られます。

今回の例では、保険適用合計が約500万円、食事代が16,000円、請求額が約10,000円とのことなので、おそらく食事療養費の一部と差額ベッド代などを自己負担した形と推察できます。

高額療養費制度との関係は?

高額療養費制度は、1か月の医療費の自己負担が一定額(自己負担限度額)を超えた場合に、その超えた分を払い戻してくれる制度です。70歳未満で年収が約370万円未満の方なら、自己負担限度額は約57,600円(所得によって異なる)です。

しかし、子ども医療費助成制度がある場合は、そもそも自己負担が少ないため高額療養費制度を利用する必要がないケースがほとんどです。つまり、「マル子制度でまかなえている=高額療養費制度の出番はなし」という状態です。

入院中の食事代と保険の関係

入院中の食事代は「標準負担額」として1食あたり460円(2024年度現在)がかかります。これは保険診療とは別枠の扱いであり、原則自己負担となります。ただし、自治体によってはこの食事代まで助成対象としているところもあります。

今回の請求額に含まれている約10,000円は、この食事代(例:1日3食×10日=13,800円)などの実費負担部分である可能性が高いでしょう。

医療費明細で内容を確認してみよう

請求書や医療費の明細書には、保険診療分、助成適用後の負担額、食事代、差額ベッド代などが記載されています。内容が不明な場合は、病院の会計窓口や市区町村の保険課に問い合わせて説明を受けるのが安心です。

また、確定申告時の医療費控除に利用するためにも、明細書は必ず保管しておきましょう。

まとめ:子どもの医療費が安いのは制度があるからこそ

お子さんの医療費が想像以上に安く済んだのは、自治体の子ども医療費助成制度(マル子)によるものであり、高額療養費制度はほとんど関与していないと考えられます。

手術や入院があっても、自己負担額が数千円程度で済むこの制度は保護者にとって非常にありがたい存在です。制度の内容は地域によって異なるため、厚生労働省や自治体のホームページで確認したり、役所に直接問い合わせたりして正確な情報を得るようにしましょう。

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