個人事業主として順調に利益を上げている方ほど、国民健康保険や住民税の通知に驚かされることがあります。特に利益率が高く経費があまりかからない業種では、その傾向が顕著です。今回は、無理のない範囲で節税しながらも将来に備えるための現実的な方法を紹介します。
1. 国民健康保険料を軽減するための制度を活用
まずは、国民健康保険料の仕組みを正しく理解しましょう。保険料は前年の所得に基づいて決まり、所得が高いほど保険料も上がります。
軽減制度が自治体により用意されていることがあり、例えば扶養親族の有無や前年の所得によって減免措置が受けられるケースがあります。一度、自治体の国保担当窓口に相談してみましょう。
2. 小規模企業共済の活用で所得控除を
節税の定番として有効なのが「小規模企業共済」です。月1,000円〜70,000円まで掛金を設定でき、全額が所得控除対象となります。
たとえば月3万円の掛金を1年間支払えば、年間36万円の所得控除となり、住民税・国保ともに軽減が期待できます。
中小機構公式サイトから申し込み可能です。
3. iDeCo(個人型確定拠出年金)で将来と節税を両立
iDeCoも掛金が全額所得控除となる制度です。毎月5,000円〜利用でき、老後資金の積み立てと同時に所得を圧縮できます。
ただし60歳まで原則引き出せないため、流動性の低さを理解した上で検討しましょう。
4. 経費計上の見直しと適正化
「無駄な経費は避けたい」という姿勢は大切ですが、必要な支出であれば経費計上を正しく行うことが重要です。例えば。
- 仕事用PC・スマホ
- 自宅兼事務所なら家賃や光熱費の按分
- 打ち合わせの飲食費
これらを適切に処理することで、所得を合法的に抑えることができます。
5. 法人成り(法人化)も検討に値する段階
利益が600万円を超えてきた段階で、法人化(法人成り)を検討するのも一つの方法です。法人税と所得税の税率差、社会保険料の仕組み、給与所得控除の活用など、多くの節税メリットがあります。
ただし手続きや維持コストも増えるため、慎重なシミュレーションが必要です。
まとめ:現状を維持しながら負担を抑える賢い工夫を
一人で無理なく働きながら高収益を上げているのは非常に素晴らしいことです。無理に売上を下げずとも、制度や控除を活用することで国保や住民税の負担を軽減することは可能です。
小規模企業共済+iDeCo+経費の見直しを軸に、可能であれば税理士やFPに相談して最適なプランを設計してみてください。
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