火災保険の請求で認定された金額が、実際の修繕費より高かった場合、「見積もり通りの工事をしなければならないのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。特に、トイレやキッチンなど設備の交換においては、見積もり上は高性能な製品が記載されていても、「そこまで良いものはいらない」と感じるケースもあります。この記事では、保険金と実際の施工の関係性や、安価な設備に変更したいときのポイントについて詳しく解説します。
火災保険で支払われる金額の仕組み
火災保険の補償は、損害額に対して保険契約の条件に基づき支払われるのが基本です。実際に支払われる金額は、見積書を提出し、その内容を保険会社が査定した上で算出されます。
保険金は「実費精算方式」と思われがちですが、「定額支払い方式」や「見積もり金額を基準にした支払い」が行われることもあり、必ずしも「支払額=施工内容」と一致しなければいけないわけではありません。
見積もりより安い工事をするのは可能?
結論から言えば、見積もり額で認定された保険金を受け取り、その範囲内で安い工事をすることは可能です。保険会社はあくまで「復旧に必要な費用」を支払うため、実際の使用用途まで管理することはありません。
たとえば、30万円のトイレ設置が見積もりに含まれていても、「20万円程度の標準的なモデルで十分」と判断すれば、工事業者と相談して製品を変更できます。工事費が余れば、その分は他の修繕に回すことも自由です。
工事業者への交渉は可能?
見積もりを作成してくれた工務店や業者に対し、「もう少し安価な設備で施工してほしい」と相談するのはまったく問題ありません。
多くの業者は、施主の予算や希望に応じて製品のグレード変更に柔軟に対応してくれます。ただし、見積もりの変更や再提出が必要な場合もあるため、早めに希望を伝えることが重要です。
注意点:保険会社への虚偽報告はNG
保険金の不正利用と見なされないように、施工実態と大きく異なる内容を保険会社に報告することは避けるべきです。
具体的には、保険金受領後に施工自体をしない、または修繕とは無関係な用途に使う場合、後に問題となる可能性があります。ただし、安価な工事にした場合でも、保険会社に特段の報告義務はなく、工事の領収書や写真を求められたときに説明できる状態であれば問題ありません。
実例:トイレ見積もりで高額商品を提示されたが…
実際に「30万円の高級トイレ」を見積もられたAさんは、「そこまで高機能でなくてもよい」と判断し、20万円のモデルに変更しました。業者も快く応じてくれたため、余剰分で洗面所のクロス張り替えも実施し、保険金を有効活用できたとのことです。
まとめ
火災保険の見積もり額が高くても、必ずしもその通りの工事を行う必要はありません。保険金の範囲内で安価な製品を選んだり、別の修繕に使ったりするのは可能です。ただし、工事の実態と著しく異なる虚偽報告や保険金の不正利用は避けるべきです。業者とよく相談し、納得のいく内容で工事を進めましょう。
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