2022年(令和4年)10月から、一定の所得がある後期高齢者(75歳以上)の医療費負担が1割から2割に引き上げられました。ただし、急な負担増を避けるために「配慮措置」が設けられています。本記事では、その計算方法を詳しく解説し、実際の医療費通知を元に計算がどのように行われるのかを解説します。
後期高齢者の2割負担における配慮措置とは?
後期高齢者の医療費負担は、1割から2割に引き上げられましたが、配慮措置により急激な負担増を防ぐための補助が行われます。この配慮措置の計算方法を理解することで、医療費通知の記載内容を正しく把握できます。
配慮措置の具体的な計算方法
配慮措置では、負担増の上限を月額3,000円と定めています。つまり、2割負担に移行しても、1割負担時と比較して1カ月あたりの自己負担増額が3,000円を超えないように調整されます。
計算式
後期高齢者の2割負担額を計算し、1割負担との差額を出します。
- 2割負担額 = 医療費総額 × 20%
- 1割負担額 = 医療費総額 × 10%
- 差額 = 2割負担額 - 1割負担額
この差額が3,000円を超える場合、超えた部分は支給対象となり、配慮措置として医療療養費支給が行われます。
実際のケースで計算
質問者のケースを元に具体的に計算してみます。
医療費通知の内容
医療機関 | 支払額(2割負担) |
---|---|
病院A | 8,675円 |
調剤薬局B | 2,042円 |
合計 | 10,717円 |
1割負担と2割負担の比較
- 1割負担時の自己負担額: 10,717円 ÷ 2 = 5,358円
- 2割負担時の自己負担額: 10,717円
- 負担増加額: 10,717円 - 5,358円 = 5,359円
この場合、負担増は5,359円ですが、3,000円を超えた部分の2,359円が支給対象となります。
実際の支給額との違い
質問者の医療療養費支給額は1,021円となっていますが、これは病院ごとに負担増を計算し、合計して支給額が決定されるため、単純な計算と異なる場合があります。また、端数処理や自治体ごとの補助ルールによって変動する可能性があります。
まとめ
後期高齢者の2割負担の配慮措置は、負担増が月3,000円を超えた場合、その超過分が補助される仕組みです。ただし、計算方法には病院ごとの扱いや自治体のルールによる影響もあるため、疑問がある場合は、自治体の窓口や健康保険組合に問い合わせることをおすすめします。
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