投資目的で資金を借りる際、保有資産や年収がどのように評価されるのかは多くの人が気になるところです。特に金融資産が1億円ありながら、年収がそれほど高くない場合、どの程度まで借入が可能なのか、銀行の視点から解説していきます。
金融資産1億円の信用力とは?
銀行は融資審査の際に「年収」と「資産」の両方を評価します。特に1億円という金融資産は非常に強力な信用材料となり、担保を用意せずとも優遇される可能性があります。
ただし、預金や株式など資産の性質によって評価が異なります。たとえば定期預金は流動性が高いため評価が高い一方、非上場株式や仮想通貨などは評価が低くなる傾向があります。
投資資金の借入で重視される年収
年収500万円の場合、一般的な無担保ローンやカードローンでは年収の3〜5倍程度(約1,500万〜2,500万円)が上限とされます。しかし投資目的の場合はさらに慎重に審査され、借入先の使途明確化とリスク管理能力が重視されます。
特に金融機関側から見ると、投資による損失リスクが高いため、年収と返済能力により制限がかかることがあります。
フルローンを可能にする「担保型融資」
1億円のうち一部を担保に提供することで、より有利な条件で融資を受けることが可能です。これが「証券担保ローン」や「資産担保ローン」と呼ばれるもので、証券口座内の株式や投資信託を担保にして借入する仕組みです。
たとえば、SBI証券や楽天証券では、最大で評価額の60〜80%の融資が可能で、1億円の流動資産を保有している場合、最大で6,000万〜8,000万円程度の借入が可能です。
実際の借入可能額の一例
条件 | 借入可能額の目安 |
---|---|
年収500万円(無担保) | 1,500万円〜2,500万円 |
金融資産1億円のうち7,000万円を証券担保 | 4,200万円〜5,600万円(担保評価60〜80%) |
資産+年収併用の特別ローン | 5,000万円超も可能(審査次第) |
このように、年収だけでなく、資産の種類とその活用方法によって融資可能額が大きく異なります。
注意点:投資目的の借入はリスクも伴う
銀行は一般的に「投資目的」と明示した借入には慎重です。理由は、元本保証がないことと、返済原資が運用結果に依存するためです。
そのため、金融庁も「過度なレバレッジ投資」には注意喚起をしており、借入を元手にした投資戦略には慎重であるべきとされています。
まとめ:1億円の資産は強力だが、借入には慎重な判断を
1億円という金融資産を持っている場合でも、借入の審査には年収や返済能力が重要な指標となります。無担保での借入は年収に制限されがちですが、資産を担保にすることでより大きな借入が可能になります。
ただし、投資目的での借入にはリスクが伴い、万が一損失が出れば借金だけが残るケースもあります。資産と収支のバランスを考慮した上で、金融機関としっかり相談することが大切です。
コメント