退職が決まった際、最も気になるのが「社会保険料の扱い」です。特に、給与が翌月払いの会社の場合、退職後に受け取る給与からどのように保険料が天引きされるのか、不安に思う方も多いのではないでしょうか。この記事では、退職日によって異なる保険料の取り扱いについて、わかりやすく解説します。
社会保険料の基本的な仕組み
社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険)は、「在籍していた月」に対して発生します。給与の締め日や支払日とは無関係で、在籍していたかどうかが判断基準です。
たとえば、5月に1日でも在籍していれば、5月分の社会保険料が発生します。そのため、退職月にいつ辞めるかで、保険料の負担が大きく変わることがあります。
5月末退職:5月分の保険料はどうなる?
質問のケースである「5月末退職」であれば、5月31日まで在籍していたため、5月分の健康保険・厚生年金・雇用保険料は全額発生します。そして、これらは6月25日に支給される給与から天引きされます。
また、翌日から新しい会社に転職するのであれば、6月からの社会保険料は新会社側で発生し、二重払いになることはありません。
5月15日退職:半月在籍だと保険料はどうなる?
実は、社会保険料は「1日でも在籍していれば1か月分が課される」のが原則です。つまり、5月15日退職でも、5月分の保険料は全額発生します。
給与が日割り計算でも、保険料は満額。よって、5月15日退職でも、6月25日の給与からは5月分の健康保険・厚生年金が差し引かれます。
雇用保険料は在籍日数に応じた日割りで計算されるため、15日間分の給与に対してのみ発生します。
退職日によって変わる保険料の実際の負担額
例えば、月収30万円であれば、健康保険と厚生年金だけで約45,000円〜50,000円程度の天引きがあります(地域や組合によって変動あり)。
5月15日退職だと給与は半分なのに、保険料は満額になるため、「手取りが極端に少ない」という事態になります。これを避けるため、月末退職を選ぶ人も多いのです。
在職と保険料の関係:雇用保険は例外
雇用保険料は、健康保険・厚生年金とは異なり、「賃金総額の〇%」という形で課されるため、在籍日数や支給額に応じて比例します。したがって、月の途中で退職した場合は、日数分だけの雇用保険料しか発生しません。
逆に、健康保険と厚生年金は「月単位での課金」です。この点を理解しておかないと、手取り予想に大きな誤差が出ます。
まとめ:退職日は社会保険料を左右する重要ポイント
退職日によって社会保険料の負担額が大きく変わります。特に健康保険と厚生年金は「1日でも在籍していれば1か月分」のルールがあるため、月途中退職は手取りが大幅に減るリスクがあります。
退職後に次の職場が決まっている場合でも、社会保険料の二重負担は基本的に発生しませんが、事前に退職日をしっかりと計画しておくことが、手取り額や保険料調整の観点からも非常に重要です。
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