ネット通販の送金ミスなどで、意図せず他人の口座に送金してしまった場合、銀行を通じた「組み戻し」という手続きで資金を取り戻すことが可能です。しかし、相手側の対応や不当な手数料請求などトラブルも少なくありません。本記事では、組み戻しの仕組みと、請求された場合の正当性、対応方法について具体的に解説します。
誤送金時の「組み戻し」とは?
組み戻しとは、銀行振込で誤って送金した場合に、送金元の依頼で資金を受取人の同意を得て返金してもらう仕組みです。依頼主は自分の銀行に申請を行い、そこから相手の銀行に組み戻し依頼が送られます。
重要なのは、受取人の「同意」が必要だという点です。つまり、誤送金された相手が返金に応じなければ、銀行側では強制的に資金を戻すことはできません。
組み戻しの正規手数料はいくらか?
金融機関によって異なりますが、一般的な組み戻し手数料は660円~880円程度です。例えば、三井住友銀行では880円(税込)、ゆうちょ銀行では660円(税込)などが標準的な相場です。
この手数料は銀行が受取人の銀行と交渉を行うための実費であり、送金者の口座から引き落とされます。
5,000円の「組み戻し手数料」を相手企業に請求された場合は?
今回のように、誤って送金した相手側が独自に「組み戻し手数料」として5,000円の別途請求をしてくるケースがありますが、これは法的根拠が乏しく、正当とは言えない可能性が高いです。
本来、組み戻しの費用は銀行のみに支払えば足りるものであり、相手企業が独自に「返金手数料」を請求するには、事前に合意や明示的な規約などが必要です。
このような請求にどう対応すべきか?
- まずは自分の利用銀行で正式な「組み戻し手続き」を進めましょう。相手に対する支払いは一切不要です。
- 相手が返金に応じない場合や、手数料を支払わなければ返金しないと主張する場合は、弁護士・消費者センター・警察の相談窓口を活用するのも有効です。
- やり取りは可能な限りメールなど記録が残る形で行い、不当な請求内容も記録しておくと、トラブル時に有利に働きます。
実際のトラブル事例
あるユーザーがネット通販の口座に誤って送金したところ、「返金はするが独自手数料5,000円を払ってほしい」と要求されました。しかし、銀行に正式な組み戻し申請を行った結果、相手側から承諾され無事返金され、追加の支払いは一切発生しなかったとの報告があります。
まとめ
誤送金に気づいた場合は、すぐに銀行で「組み戻し手続き」を依頼しましょう。相手側からの高額手数料請求には法的根拠がない可能性もあるため、安易に支払わず、冷静に銀行・消費者相談窓口などに相談することが重要です。組み戻しの基本知識を持っておくことで、トラブル回避にもつながります。
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