頼れる身内がいない、貯蓄もない場合に入院・手術費用をどう支払うか

頼れる身内もおらず、貯蓄もなく、生命保険や医療保険に加入していない場合、入院や手術が必要になった時にどのようにして医療費や生活費をまかなうか不安に思われる方は多いかもしれません。今回は、そんな状況でも利用できる支援や対応方法をわかりやすくご紹介します。

1. 公的な医療制度を活用する

まず、日本には「高額療養費制度」という制度があります。この制度では、所得に応じて一定額を超える医療費が国から補助されるため、大きな負担を避けることができます。また、国民健康保険や社会保険に加入している場合、治療費の3割を支払うことで済むため、全額自己負担ではありません。

特に、医療費の負担が心配な場合は、事前に「限度額適用認定証」を取得しておくと、入院時に医療費の一部負担金が一定額に抑えられるため安心です。

収入が少なく、貯蓄もない場合は「生活福祉資金貸付制度」を利用することもできます。この制度は、緊急時の生活費や医療費などに利用できるもので、無利子または低利子で融資を受けることができます。

各自治体の社会福祉協議会に相談し、利用を検討することをおすすめします。

万が一、全く収入がなく、生活費や医療費を支払うことができない場合は、生活保護制度を利用することも選択肢に入ります。生活保護では、住居費や生活費の他、医療費も全額負担してもらえることが多く、安心して治療を受けることができます。

申請には、住民票がある市区町村の福祉事務所に相談する必要があります。

入院中や療養中に賃貸の家賃やその他の固定費を支払わなければならない場合でも、家賃滞納や支払いが困難になる前に、事前に大家さんや管理会社に事情を説明することで、支払いの猶予や分割払いの相談ができることもあります。また、緊急的に住居費をカバーする支援も自治体によっては提供されています。

身内が頼れず、貯蓄がない場合でも、医療費や生活費に関する公的支援や制度を活用することで、大きな負担を避けることができます。まずは、自分の状況に応じた支援制度を確認し、適切に対応することが重要です。