複数のコンビニ店舗で勤務していた場合、雇用保険がどのように計算されるのかは重要なポイントです。特に店舗がすべて同一オーナーの経営下にある場合、雇用保険の対象となる労働時間や賃金がどう集計されるかを正しく理解しておかないと、失業手当の額が想定より少なくなることもあります。本記事では、同一オーナーの複数店舗勤務が雇用保険に与える影響について、仕組みと対応策を解説します。
雇用保険の適用は「事業所単位」か「事業主単位」か
雇用保険の適用は基本的に「事業所単位」で判断されます。たとえ同一のオーナーが経営する複数店舗で働いていても、それぞれの店舗が別々の事業所として労働保険番号を持っている場合は、別個の勤務先とみなされます。
そのため、たとえばA店で20時間、B店で10時間、C店で10時間の勤務をしていたとしても、それぞれの事業所で週20時間未満の勤務であれば、雇用保険に加入できていない可能性があります。
例外:事業所統合がされているケース
一方で、複数店舗が労働保険上「同一事業所」として扱われている場合は、全体の勤務時間や賃金が合算され、雇用保険の加入基準を満たす可能性があります。これは、事業主が意図的にまとめて雇用管理をしている場合などです。
このようなケースでは、勤務時間の合計が週20時間以上となれば、雇用保険の加入対象になります。店舗ごとに勤務時間がバラバラでも、全体の合計がカウントされます。
退職後に失業手当が少なかった場合の対処法
失業手当が明らかに少ないと感じた場合は、まず自分の雇用保険の加入状況を確認することが重要です。次の方法を試してみましょう。
- 各店舗の給与明細やシフト表を用意する
- 雇用保険被保険者証(または離職票)を確認
- ハローワークに複数店舗での勤務実態を説明
店舗ごとに給与明細が分かれている場合も多いため、合算した実働時間と収入をもとに、ハローワークに正しく事情を伝えることが大切です。
「副業扱い」になることもある
もし、主たる勤務先(例:A店)でのみ雇用保険に加入しており、他の勤務先(B店、C店)がそれぞれ個別に雇用保険加入基準を満たしていない場合、それらの勤務は「副業扱い」とされ、雇用保険に反映されないケースもあります。
この場合、たとえ週40時間勤務していても、20時間以上勤務していたA店分しか雇用保険に反映されない可能性があります。失業手当の額が想定より少ない場合は、これが原因かもしれません。
複数店舗勤務の証明は自己申告+書類提出がカギ
雇用保険の記録が不完全である場合、自身で勤務実態を証明する必要があります。以下の資料が役立ちます。
- 勤務シフト表
- 給与明細(各店舗分)
- 雇用契約書
- 同一オーナーであることを証明する情報
これらを持ってハローワークに申し出れば、状況に応じて見直しや修正申請が可能になる場合があります。
まとめ:複数店舗勤務でも雇用保険の対象になる可能性あり
同一オーナーの複数店舗で勤務していた場合でも、雇用保険が全体の勤務として反映されるかどうかは、事業所ごとの登録状況と、雇用契約の内容に大きく左右されます。少しでも疑問がある場合は、早めにハローワークへ相談し、必要な書類を準備して自ら説明することが重要です。
雇用保険は退職後の生活支援の柱となる制度ですので、正確な手続きと情報提供で、納得できる失業手当を受け取りましょう。
コメント