大切に貯めてきた預金を、配偶者に無断で引き出されていた――そんなショックな出来事に直面したとき、どう対応すべきなのでしょうか。夫婦間の金銭トラブルは感情面だけでなく法律面でも複雑です。本記事では、預金の無断引き出しに対する対処法や注意点を詳しく解説します。
夫婦でも勝手に預金を引き出すのは違法になる?
結婚していても、配偶者の個人口座から無断で預金を引き出す行為は「不正出金」や「窃盗」に該当する可能性があります。銀行口座は名義人個人に帰属するものであり、たとえ夫婦であっても勝手に使うことは認められていません。
特に、預金の出所が妻の収入や親からの贈与など明らかに夫とは無関係である場合は、「共同財産」とはみなされず、法的にも本人の資産とされます。
まず確認すべきこと:誰が、どこから、どうやって引き出した?
被害を把握するために、以下の情報をできるだけ正確に確認しましょう。
- 出金された日付と金額
- ATMやネットバンキングなど引き出し手段
- カードや暗証番号がどのように使われたか
明細はスマホアプリや通帳で確認できるほか、銀行窓口で「履歴の詳細な照会」も依頼可能です。
無断引き出しが発覚したらやるべきこと
状況が明確になったら、次のステップを取りましょう。
- 口座の利用を一時停止して、これ以上の被害を防止
- 銀行に連絡して「不正出金の可能性あり」と伝える
- 引き出しに使われた手段(カードやネットバンキング)の再発行やパスワード変更
また、夫に直接事実確認と返還要求をする前に、感情的にならず証拠を押さえておくことが大切です。
法的手段も検討できる?刑事・民事の観点から
話し合いで返金がされない、または悪質なケースでは法的対応も選択肢となります。
- 刑事:警察に相談し「窃盗罪」として被害届を出す(夫婦でも適用される場合あり)
- 民事:家庭裁判所で財産分与や損害賠償請求を行う
この際、法テラスや弁護士の無料相談を活用すると、具体的なアドバイスを受けられます。市区町村の女性相談窓口も支援してくれる場合があります。
今後の再発防止策:お金の管理は慎重に
一度このようなトラブルを経験した場合、通帳やキャッシュカードの管理方法を見直すことも重要です。以下のような対策が有効です。
- 通帳やカードを夫が触れられない場所に保管
- ネットバンキングのパスワードを変更
- 定期的に出金履歴を確認する習慣をつける
また、家庭内でお金の流れについて明確に話し合うことも、防止につながります。
まとめ:感情よりも冷静な対応と証拠収集を
夫婦間のお金のトラブルは感情的になりやすい問題ですが、証拠を押さえて冷静に対応することが解決への第一歩です。今回のようなケースでは、銀行への相談と法的なアクションを視野に入れながら、自分の資産を守ることが大切です。
不安や疑問があれば、早めに法律の専門家や女性支援窓口に相談して、後悔のない選択をしてください。
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