加給年金の支給条件とは?配偶者が厚生年金加入20年以上でももらえるケースを徹底解説

年金

老後の年金制度は複雑で、「加給年金」についても正確に理解していないと損をする可能性があります。特に「配偶者も厚生年金に20年以上加入している場合」に加給年金が支給されるのかどうか、気になる方も多いはずです。本記事では、現行の加給年金制度に基づき、支給条件や注意点を詳しく解説します。

加給年金とは?基本の仕組みをおさらい

加給年金とは、厚生年金の受給者に一定の条件を満たす配偶者や子がいる場合に支給される家族手当的な年金です。これは本人の年金に上乗せされるもので、主に高齢の専業主婦(主夫)を支える目的があります。

たとえば、65歳から老齢厚生年金を受け取る夫が、収入の少ない65歳未満の妻を扶養している場合、その妻の分として年額約39万円(2024年度時点)の加給年金が上乗せされます。

加給年金が支給される主な条件

加給年金の支給には、以下の条件をすべて満たす必要があります。

  • 老齢厚生年金の受給者であること(原則65歳以上)
  • 厚生年金保険の加入期間が20年以上あること
  • 配偶者が65歳未満であること
  • 配偶者の年収が850万円未満(所得ベースで655.5万円未満)

したがって、配偶者が65歳未満であれば、たとえ厚生年金加入期間が長くても加給年金の支給対象となります。

配偶者の厚生年金加入20年以上でどう変わる?

重要なのは、配偶者が将来「振替加算」の対象にならないという点です。加給年金は、配偶者が65歳になった時点で支給停止となりますが、本来であれば「振替加算」として基礎年金に上乗せされるはずの金額が用意されています。

しかし、配偶者が厚生年金に20年以上加入していると、この「振替加算」は受け取れません。これは、「自分自身の年金額が一定以上あるため加算の必要がない」とみなされるためです。

つまり、加給年金は65歳まで支給されるが、その後の振替加算はない、ということになります。

支給の流れと具体的な例

たとえば、夫(60歳)が65歳になった時点で年金受給を開始し、妻(当時53歳)が65歳になるまでの12年間は加給年金が支給されます。

加給年金額は毎年度見直されますが、仮に年間39万円であれば、12年で総額468万円にもなります。これは決して無視できる金額ではありません。

申請手続きと注意点

加給年金は自動では支給されません。年金請求時に「加給年金の申立書」などを添付する必要があります。また、配偶者の収入や年齢の変化により支給停止や変更となる可能性もあるため、定期的な確認が大切です。

提出漏れや記載ミスがあると支給が遅れるケースもあるので、不安な場合は年金事務所や社会保険労務士に相談すると安心です。

まとめ:配偶者が厚生年金加入者でも加給年金は支給される

配偶者が厚生年金に20年以上加入していても、65歳未満であれば加給年金は支給されます。ただし、65歳を過ぎると支給は停止され、「振替加算」も対象外になることを理解しておきましょう。

将来の年金収入を見積もる上でも、この加給年金は見逃せない存在です。ぜひ自身の状況に照らし合わせて早めに準備しておきましょう。

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