新入社員の入社時には、住民税の特別徴収への切り替え手続きが必要ですが、前職からの退職タイミングや普通徴収との関係で記載に迷うことがあります。今回は、住民税の納税通知書が未着のケースでの特別徴収依頼書の記載方法をわかりやすく解説します。
住民税の「特別徴収」とは何か?
特別徴収とは、従業員に代わって会社が住民税を給与から天引きし、市区町村へ納付する仕組みです。新入社員が入社した際、前職で普通徴収へ切り替えていた場合でも、新たな勤務先で再び特別徴収へ戻すことが可能です。
ただし、その際には市区町村へ「給与所得者異動届出書(特別徴収切替届)」などの提出が求められます。
納税通知書が未着のときの対応
新入社員が普通徴収に切り替えてから短期間で転職した場合、納税通知書(個人宛)がお手元に届いていないことはよくあります。この場合、納税通知書番号や年税額の記載は不要であり、市区町村役場が処理時に照合・補完してくれることが一般的です。
記載できる範囲で、以下のように記入しましょう。
- 納税通知書番号:未着のため「不明」や空欄で可
- 年税額:不明の場合は空欄
- 前職の退職日:明確に記入(例:令和6年6月30日)
- 現職の入社日:記入(例:令和6年7月20日)
不明点が多い場合は、市区町村へ「不明項目については役所にて確認をお願いします」と添えて提出するとスムーズです。
どのタイミングで普通徴収から特別徴収へ変わるのか
原則として、普通徴収での住民税納付は6月から翌年5月までの分割納付です。一方、特別徴収に切り替えると、そのタイミングによって残りの納付分が給与天引きに切り替わります。
たとえば7月入社であれば、9月〜10月ごろから特別徴収が始まり、それまでの期間分は本人が直接普通徴収で納付します。
会社として注意すべき対応ポイント
住民税特別徴収の切替手続きを円滑に進めるためには、以下の点に注意してください。
- 従業員からの情報収集(前職の退職日、現住所、マイナンバーなど)
- 「特別徴収切替届出書」の早期提出
- 不明項目がある場合は備考欄にその旨を記載し、役所へ連絡を入れておく
- 従業員にも「納税通知書が届いたら会社に提出してください」と依頼
従業員との連携も大切です。
具体例:6月退職・7月入社の場合
ケース: 令和6年6月30日に前職を退職し、普通徴収へ切替。令和6年7月20日に新たな会社へ入社。
対応: 通知書が未到着のため、納税番号・年税額は空欄のまま「特別徴収切替届出書」を提出。9月または10月以降の給与から住民税の特別徴収が開始される。
まとめ:通知書が未着でも切替は可能
納税通知書が未到着でも、住民税の特別徴収への切替は可能です。通知書番号や税額は空欄で構いませんが、退職日や入社日などの確実な情報は忘れずに記載しましょう。
市区町村への問い合わせや備考欄の活用を通じて、柔軟な対応を心がけることでスムーズな手続きが可能になります。
コメント