転職と傷病手当金の関係|退職後も申請できる条件と注意点

社会保険

転職を控えている方や、退職を考えながら療養中の方にとって「傷病手当金を受け取れるのか」はとても重要なテーマです。この記事では、うつ病など精神疾患での休職・退職を前提に、傷病手当金の支給可否や退職後の取り扱いについて詳しく解説します。

傷病手当金の基本ルール

傷病手当金は、健康保険の被保険者が業務外の病気やけがで働けなくなった際、収入減少を補う目的で支給されます。支給されるためには以下の4つの条件をすべて満たす必要があります。

  • 業務外の病気・けがであること
  • 労務不能であること(医師の証明が必要)
  • 連続する3日間の待期期間の後も労務不能が続いていること
  • 給与の支払いがない(または少額)であること

これらが満たされていれば、4日目から傷病手当金を受け取ることが可能です。

退職後でも申請できるケースとは?

退職したからといって傷病手当金の権利が消滅するわけではありません。重要なのは「退職日の時点で傷病手当金の受給条件を満たしていたかどうか」です。

具体的には、退職日の前日までにすでに傷病手当金を受給しているか、あるいは申請可能な状態(労務不能が継続し医師の証明がある)であれば、退職後も最長1年6ヶ月まで継続して受け取ることができます

転職しても申請できる?

退職と同時に次の職場で働き始めた場合でも、退職までの間に労務不能であり、受給資格が成立していれば問題なく申請できます。ただし、新しい勤務先で実際に働き始めてしまうと、以降は「労務不能」と見なされなくなり、その日以降の支給は停止されます

よって、退職日(今回の例では3月22日)までは申請可能ですが、転職先で働き始める3月23日以降については支給対象外となる可能性が高いです。

申請に必要な書類と手順

傷病手当金の申請には以下の書類が必要です。

  • 傷病手当金支給申請書
  • 本人記入欄
  • 事業主記入欄(退職前の会社に記入依頼)
  • 医師の意見書(診断書)

退職後でも、在職時の会社と連絡を取り、事業主欄を記入してもらう必要があります。特に時間が経つと手間がかかるため、早めに準備しておくのが望ましいです。

ケーススタディ:今回の状況に当てはめて考える

今回の事例では、2月20日から休職し、3月22日に退職、翌日23日に転職。条件としては次の通りです。

  • 労務不能で医師の診断書がある(うつ状態)
  • 連続して3日間以上休んでいる
  • 給与が支払われていない、または大幅に減っている

このような場合、2月24日(待期明け)から3月22日までの期間については、退職後でも傷病手当金の申請が可能です。ただし3月23日からは就労を開始しているため、その分は支給されません。

まとめ:転職しても、退職前までなら傷病手当金は申請できる

傷病手当金は、退職日までの条件を満たしていれば、退職後に申請することが可能です。大切なのは「退職前に労務不能であることを医師が証明しているか」です。

不安な場合は、加入していた健康保険組合や協会けんぽの窓口に相談するのが確実です。転職先の就業開始後は支給対象外になる可能性が高いため、事前に計画的に動くことが求められます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました