東京都薬剤師国保組合とは?社会保険との違いや保険料の仕組みをわかりやすく解説

社会保険

薬局勤務や独立開業している薬剤師の方で「東京都薬剤師国保組合(薬剤師国保)」という言葉を耳にしたことはあるけれど、制度の中身や社会保険との違いが分からない…という方も多いのではないでしょうか。この記事では、東京都薬剤師国保組合の特徴や加入対象、保険料の仕組み、社会保険との違いを詳しく解説します。

東京都薬剤師国保組合とは何か?

東京都薬剤師国保組合とは、薬剤師やその事業所の従業員を対象とした職能型の国民健康保険組合です。これは国民健康保険の一種で、主に個人事業主や中小企業の経営者・従業員などが加入する制度です。

薬剤師国保は、東京都薬剤師会に所属する薬局経営者や個人事業主、その従業員などが加入対象となります。他の健康保険と異なり、業種や資格に特化した組合となっている点が特徴です。

社会保険との違いは?労使折半はある?

薬剤師国保には社会保険のような労使折半の制度はありません。社会保険(健康保険+厚生年金)では、保険料の約半分を雇用主が負担しますが、薬剤師国保では事業主が全額を支払う必要があります。

つまり、経営者にとっては従業員一人ひとりの健康保険料を全額負担する形となり、会社規模が小さいほどこの負担は重く感じられる可能性があります。

保険料の金額と構成

東京都薬剤師国保の保険料は年齢に関係なく一律で、2024年度の月額保険料は以下のように設定されています。

  • 本人(事業主または従業員):月額 28,000円(※変動の可能性あり)
  • 扶養家族:1人あたり 月額 18,000円

たとえば、薬局経営者が配偶者と子供1人を扶養している場合、保険料総額は月額64,000円となります。国民健康保険と比べて所得にかかわらず保険料が定額なのが特徴で、高所得者にとってはメリットにもなりえます。

薬剤師国保に加入するメリット・デメリット

メリット:
・所得に関係なく保険料が一定で、一定以上の所得のある人にとっては割安になる
・薬剤師資格があれば加入資格があるため、薬局経営者にとって手続きが比較的スムーズ

デメリット:
・事業主が従業員の保険料を全額負担するため、コストが重くなりやすい
・厚生年金とセットになっていないため、将来の年金受給額が少なくなる場合がある(別途国民年金加入が必要)

国民健康保険との比較:どちらが得か?

国民健康保険は、所得に応じて保険料が決まり、扶養制度がなく家族ごとに保険料が発生します。一方、薬剤師国保は定額制のため、一定の所得がある人、扶養家族が複数いる人にとっては薬剤師国保の方が有利になる可能性があります。

ただし、所得が低い場合や一人暮らしのケースでは、所得連動型の国民健康保険の方が結果的に保険料が安くなる場合もあります。

まとめ

東京都薬剤師国保組合は、薬剤師という職能に特化した国保制度であり、事業主が全額保険料を負担する点が社会保険との大きな違いです。所得に関係なく定額制であるため、高所得の薬剤師や複数の扶養家族がいるケースでは有利になる一方、会社負担が大きいという課題もあります。

保険料の仕組みや制度の特性を理解した上で、経営スタイルや家族構成に合った保険の選択を行うことが大切です。

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