がん保険に加入する際、「過去の病歴や通院歴をどう書けばよいのか」と不安になる方は少なくありません。特に、風邪など軽い症状で医療機関を受診した後すぐに保険に加入し、その後がんが発覚した場合、保険金が出るのかどうかは気になるところです。この記事では、風邪での受診歴とがん保険の関係、告知義務、免責期間などについてわかりやすく解説します。
がん保険の「告知義務」とは?
がん保険に限らず、生命保険などの医療系保険には「告知義務」があります。これは、保険契約時に過去の病歴や通院歴、検査歴などについて正確に保険会社に伝える義務のことです。嘘や事実の隠蔽があると、後に保険金が支払われない原因になります。
ただし、風邪などの一時的な軽症で、すでに完治している場合は、一般的には「告知不要」とされるケースが多く、各保険会社の告知書にもそのように明記されています。今回のように再診も指示されていない軽微なケースで「完治」と記載するのは、告知義務違反にはなりにくいと考えられます。
免責期間とは?契約後すぐには保険金が出ない理由
がん保険には通常、「免責期間(待機期間)」という制度があります。これは、契約日から一定期間(一般的に90日間)はがんと診断されても保険金の支払い対象外となるルールです。
この制度は「加入時点でがんが潜在していた可能性」を排除するために設けられており、公平性を保つための仕組みです。したがって、免責期間経過後に医師による正式な診断(確定診断)を受ければ、原則として保険金の支払い対象になります。
過去の通院が「がんの兆候」とされるケースとは
もしも風邪による通院時に、医師から「腫瘍の疑いがある」「精密検査をすべき」といった具体的な指摘を受けていた場合、それは“がんの自覚症状”と見なされる可能性があります。このような情報を告知書に記載しなかった場合、保険金の支払いを拒否されるリスクが出てきます。
しかし、本件のように「風邪によるしこりで検査不要、経過観察でよい」とされており、再診も求められていない場合は、医学的にも“がんの疑い”とはされていないと考えられます。この場合、告知義務違反にはなりにくく、免責期間経過後の診断であれば保険金が出る可能性は高いです。
がん保険に加入後に注意すべきこと
加入後すぐに体に異変が出た場合、「保険金が出るのか」と不安になりますが、まずは医師の診断結果と保険会社の免責期間の満了日を確認しましょう。
また、告知書の控えは必ず保管し、記載内容が正確だったかを後日確認できるようにしておくことも大切です。
不安な場合はカスタマーセンターや保険ショップに相談を
告知義務違反に当たるかどうかは、医師の見解や記録によって判断されるため、不安がある場合は保険会社のカスタマーセンターや保険相談窓口で確認しておくと安心です。
公益財団法人 生命保険文化センターなどの公的情報も参考にしてみてください。
まとめ:正しい告知と理解で安心してがん保険に加入を
がん保険の告知義務や免責期間は、加入者を守るために設けられた制度です。風邪での受診が直後であっても、医師の診断が軽症・完治とされていれば、一般的には保険金支払いに影響はありません。
大切なのは「症状の重さ」や「医師の指摘内容」です。正しい知識を持ち、万一のときに備えた安心の保険活用を心がけましょう。
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