退職後に健康保険の切り替えが完了していない状態で、誤って前職の保険証を使用してしまった場合、どうなるのか不安に思う方は少なくありません。この記事では、国民健康保険に再加入を予定している方が過去に誤って旧保険証を使って受診した場合の対処方法と、費用の取り戻しについて詳しく解説します。
前職の健康保険証を使った受診はどう扱われる?
会社を退職すると、通常その健康保険の資格は退職日をもって失効します。そのため、退職後にそのまま使用して受診した場合、原則として「資格喪失後の不正使用」とみなされ、医療費は全額自己負担になる可能性があります。
ただし、意図的でない場合や、すぐに正規の保険に加入しなおす場合は、一定の手続きを行うことで負担軽減ができる場合もあります。
医療費の払い戻しは可能?国民健康保険加入後の救済措置
国民健康保険に後日加入し、保険証が交付された後に「保険証がなかった時期に医療機関で全額自己負担で支払った場合」は、『療養費支給申請』という手続きによって一部返金される制度があります。
ただし、誤って旧保険証を使用した場合については、以下の条件が加わることがあります。
- 医療機関が「保険扱い」として処理している場合、遡って修正が必要
- 保険者(前職の健保組合等)に連絡し、誤使用の報告と訂正を依頼
- 国民健康保険側でその日付からの保険加入を証明し、改めて手続き
再診時に国保の保険証を提示しても、その日に行った診療にしか適用されないため、前回分は自動的には返金されません。
再診時に準備すべき書類と流れ
再診時に病院で返金を受けられるケースは稀であり、通常は以下のような対応になります。
- 初診時の領収書を持参し、窓口で「誤って旧保険証を使用した」と相談
- 病院が訂正請求処理を行うことを了承した場合、返金の対応が可能に
- もしくは、患者自身が市区町村の窓口に「療養費支給申請」を行う
療養費支給申請には、診療明細書、領収書、本人確認書類、印鑑、国民健康保険証などが必要です。
誤使用がわかったときにすべきこと
旧保険証の使用に気づいた時点で、すぐに以下の対応を取りましょう。
- 受診した医療機関へ連絡し、誤使用であった旨を伝える
- 前職の健康保険組合にも連絡し、資格喪失後の使用があったことを報告
- 国民健康保険への加入手続きをすぐに行い、保険証を取得
場合によっては、病院側で診療報酬の返還手続きが必要になるため、病院と前職の健保、自治体の窓口の3者と連携が必要になることもあります。
まとめ:早めの相談と手続きで費用の負担を軽減
前職の保険証を誤って使ってしまった場合でも、自己負担した費用を一部取り戻せる可能性はあります。ただし、病院側や行政とのやり取りが必要になるため、できるだけ早く関係各所に連絡することが大切です。
再診時に国保の保険証を持参することは重要ですが、それだけでは過去分の返金は難しいため、必ず「療養費支給申請」や病院窓口への相談を行いましょう。
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