会社を退職して国民健康保険(国保)に切り替えた後、前職の健康保険証を返却し忘れることは意外とよくあることです。しかしそのままにしておくと、トラブルにつながる場合もあります。この記事では、会社の健康保険証を返却し忘れた際のリスクや、速やかにとるべき対応について詳しく解説します。
会社の保険証は「会社の所有物」
健康保険証は本人が利用するものですが、あくまで「会社が加入する健康保険組合」または「全国健康保険協会(協会けんぽ)」が発行するものであり、法律上は会社側の所有物です。
そのため、退職した時点でその保険証の効力は失われ、原則として速やかに返却する義務があります。会社の規則や誓約書に明記されているケースも多く、返却しないとトラブルの原因になることもあります。
返却を忘れてもすぐに罰則はないが…
仮に返却しなかったとしても、すぐに罰則や罰金などが科されるわけではありません。しかし、退職後にその保険証を使って医療機関を受診した場合は「不正利用」となり、医療費の全額返還や法的責任を問われることもあり得ます。
すでに国保に切り替えている場合、今後保険証を使う機会がないとしても、早めに返却することが社会的なマナーでもあります。
返却方法:郵送でもOK
多くの会社では、退職後に保険証を郵送で返却することが可能です。封筒に「保険証在中」と書き、簡易書留など記録が残る方法で送付すると安心です。宛先は人事部または総務課宛にするのが一般的です。
返却の際には、「退職後に気づき遅くなりましたが、保険証を返却いたします。」といった簡単なメモを同封すると、より丁寧な印象になります。
返却しないままだと起こりうるトラブル
以下のようなトラブルが起こる可能性があります。
- 退職日以降に保険証を誤って使用してしまい、不正請求になる
- 会社が返却の確認を取れず、退職手続きが一部完了できない
- 会社から連絡が来て返却を催促される
これらは後々面倒な事態に発展することもあるため、できる限り早く対応しましょう。
国保と社会保険の重複に注意
まれに、社会保険の脱退手続きが会社側で遅れた場合、国保と社会保険が同時に有効となってしまうことがあります。これは「二重加入」となり、どちらか一方を無効化する手続きが必要です。
国保に切り替えた後は、役所で「資格取得届」の提出を確実に済ませましょう。保険料の過払いを避けるためにも大切です。
まとめ:忘れていても焦らず、早めの返却が安心
退職後に会社の保険証を返却し忘れていた場合、すぐに大きな問題になることは少ないですが、放置は避けた方が賢明です。使わないと分かっていても、会社や保険組合との信頼関係維持のため、早めに郵送などで返却しましょう。
また、国保への切り替えが済んでいるかの確認や、保険証の管理も忘れずに行いましょう。
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