会社員時代に加入していた社会保険から国民健康保険へ切り替えた際、多くの方がその保険料の高さに驚きます。特に退職や収入減少の直後に高額な保険料が通知されると、「生活が成り立たない」と感じるのも無理はありません。しかし、制度の仕組みを理解し、正しい対処をすれば、負担を軽減できる可能性があります。
国民健康保険料が高くなる理由とは
国民健康保険料は「前年の所得」をもとに算出されます。そのため、現在の収入が下がっていても、前年の収入が多ければ高額な保険料が課される仕組みです。
また、社会保険では保険料の半額を事業主が負担していましたが、国民健康保険ではその全額を自己負担することになるため、金額が倍近くに跳ね上がるケースも少なくありません。
収入が減ったときの軽減措置「減免制度」
国民健康保険には、収入が著しく減少した人向けに「保険料減免制度」が設けられています。対象者には市区町村の役所で申請することで、最大で全額または一部が減額される可能性があります。
たとえば、前年に比べて収入が5割以下に落ち込んだ場合などは、実際に保険料が半額または免除された例も多くあります。申請には確定申告書や給与明細、失業証明書などが必要です。
年金受給者でも申請できる?
年金生活者も、所得や年金収入によっては軽減措置を受けられます。特に年金収入が年間211万円以下である場合、均等割や平等割の軽減対象になる可能性があります。
また、複数年にわたり年金だけで生活している方で、資産や貯蓄が少ない場合は「生活困窮者支援」などの制度の対象になることもあります。
払えないときにやってはいけないこと
「高すぎて払えないから放置」という選択肢は絶対に避けましょう。滞納が続くと、財産差押えや保険証の返還、短期保険証への切り替えなど不利益が発生します。
少額でも納付する姿勢を見せて、役所に相談すれば分割納付や猶予が認められることもあります。何よりも「相談すること」が最も重要な一歩です。
節約や医療費対策でできること
保険料そのものを減らす以外にも、医療費の負担を抑える方法があります。たとえば、住民税非課税世帯や低所得者には「高額療養費制度」の自己負担限度額が引き下げられるなどの優遇措置があります。
さらに、ジェネリック医薬品の利用や、特定健診の活用で健康管理を行うことで、医療費の発生自体を抑えることも重要です。
まとめ:諦めずに制度を知り、積極的に相談を
国民健康保険料の仕組みは一見複雑で理不尽に感じるかもしれませんが、きちんと制度を理解すれば負担を軽減する道もあります。特に減免申請や分割納付などの制度は、困ったときの強い味方です。
収入が減って保険料が重くのしかかるときこそ、放置せずに市区町村の窓口や社会保険労務士などの専門家に相談し、正しい対応を心がけましょう。
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