派遣社員として働く中で勤務日数や時間が変わると、社会保険料にどのような影響があるのか気になる方も多いでしょう。特に週5日から週4日へ変更する場合、「保険料はどうなるの?」「いつの収入で計算されるの?」といった疑問が生じます。この記事では、保険料の算定ルールや影響を受けるタイミングについて詳しく解説します。
社会保険料の算定は「標準報酬月額」が基準
健康保険と厚生年金保険の保険料は、「標準報酬月額」に基づいて毎月計算されます。この標準報酬月額は、基本的に年に1回「定時決定」と呼ばれる方法で見直されます。
定時決定は、毎年4月・5月・6月の給与の平均額をもとに算出され、9月から翌年8月まで適用されます。そのため、たとえ10月に入社した場合でも、翌年の4月から6月の給与が非常に重要になります。
週4日勤務に変更しても保険料はすぐには変わらない
質問のように2024年10月に入社し、2025年9月から週4日勤務に変更するケースでは、次のような流れになります。
- 2024年10月入社 → この時点では「月額変更(随時改定)」の対象にはならない
- 2025年4月~6月の給与 → 定時決定の対象期間
- 2025年9月~ → 定時決定で決まった標準報酬月額が適用
つまり、9月から勤務日数が減っても、保険料は「前の4月~6月の給与」に基づいて9月から変わるため、すぐに軽くなるわけではありません。
随時改定の仕組みと適用条件について
「定時決定」以外にも、「随時改定」という制度があり、これは月給が大幅に変わった場合に臨時で標準報酬月額を変更する仕組みです。ただし、以下の条件を満たす必要があります。
- 固定的賃金(基本給など)の変更がある
- 変更後の3か月間の平均給与が、現行の等級と2等級以上の差がある
- 変更があった翌月から3か月後の月に改定される
たとえば、9月に勤務日数が減って収入が下がったとしても、随時改定として反映されるのは「9・10・11月の給与の平均」によって判断され、改定されるのは「12月」になります。
週4日勤務でも社会保険の加入は継続される?
2022年10月の法改正により、パートタイマーや短時間勤務者でも、週の労働時間が20時間以上かつ賃金が月額8.8万円以上などの条件を満たせば社会保険に加入することが義務付けられています。
そのため、週4日勤務であっても週20時間以上かつ年収106万円以上であれば、社会保険への加入は継続されます。
派遣社員が保険料を意識すべきタイミング
派遣社員として勤務時間や勤務日数を変更するとき、以下のタイミングを意識して行動することで無駄な保険料負担を回避できます。
- 定時決定(4~6月)の対象期間に注意
- 随時改定に該当するかどうかを派遣元に確認
- 勤務日数変更のタイミングをずらすなどの工夫も有効
たとえば、収入を大きく下げるなら7月以降に調整すれば、翌年の保険料に反映させやすくなります。
まとめ:勤務変更の影響はタイミングが鍵
週4日に減らしたからといって、すぐに保険料が下がるわけではありません。社会保険料の計算は「過去の給与」に基づいて行われるため、収入を下げるタイミングや方法によってその影響は大きく変わります。派遣元や社会保険労務士に相談しながら、計画的な働き方の変更を検討するのがおすすめです。
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