130万円の壁と社会保険の扶養判定基準:3ヶ月連続月収超過でも扶養から外れる?

社会保険

パートやアルバイトで働いている方にとって「130万円の壁」は非常に重要なポイントです。特に社会保険の扶養に入っている場合、収入の増減が直接影響します。しかし、年収だけでなく、月額報酬ベースの判断がされることもあるため、混乱を招くケースも少なくありません。今回は「3ヶ月連続で月収が10.83万円を超えた場合、年収が130万円を超えなくても扶養から外れるのか」というテーマについて詳しく解説します。

社会保険の扶養判定は「見込み年収」が基本

社会保険における扶養の判定基準は、原則として「年間収入が130万円未満であること(60歳以上や障害者は180万円未満)」です。ただし、重要なのは実績ではなく「見込み年収」である点です。今後1年間の収入が130万円を超えると見込まれれば、その時点で扶養から外れる可能性があります。

たとえば、後半6か月間の収入が月15万円で安定的に続くと見込まれるならば、年収180万円と見なされ、扶養対象外となることがあります。

「3ヶ月連続で10.83万円を超えた場合」の意味

健康保険組合や協会けんぽの多くが採用している判断基準のひとつに、「3ヶ月連続で月収10万8,333円(年収換算で約130万円)を超えた場合、恒常的な収入と見なす」というものがあります。これは厚生年金加入義務の判断基準でも使われています。

したがって、たとえ年間トータルでは130万円を超えなかったとしても、月収ベースで3ヶ月連続して10.83万円を超えていれば扶養認定が見直されるリスクが高いのです。

具体的な収入モデルで確認してみる

例1:
前半半年の収入合計=10万円
後半半年の収入合計=15万円×6ヶ月=90万円
年間合計収入=100万円

このように年間では130万円を超えていなくても、後半の半年で毎月15万円稼いでいる場合、「今後も15万円ペースで働く見込み」と見なされれば、扶養から外れる可能性はあります

扶養判定には「将来の収入見込み」が重視される

健康保険における扶養認定は、「現時点から1年間の収入見込み」によって行われます。よって、今後も月収が10.83万円を超えると見込まれるかどうかが重要です。

逆に、後半の一時的な高収入であっても、その後の月収が下がることが予測されている場合(季節労働など)、扶養から外れずに済むケースもあります。

扶養を維持したいなら計画的な働き方が重要

もし扶養を維持したいのであれば、月収ベースで10.83万円未満に調整することが必要です。また、勤務先の就業形態が変更されて社会保険加入義務が発生しないか(週20時間以上勤務、月収8.8万円以上など)も併せて確認しましょう。

また、雇用契約書や給与明細をもとに、会社の人事担当や保険組合に「年収見込み」の説明をすることも、扶養判定での誤解を避ける助けになります。

まとめ:収入の増減ではなく「見込み」で判断される

社会保険の扶養認定は「過去の実績」ではなく、「今後の見込み」で判断されます。3ヶ月連続して月収が10.83万円を超えていれば、たとえ年間収入が130万円に満たなくても、扶養から外れるリスクがあることを理解しておきましょう。

将来の就業計画や家庭の事情をふまえて、保険の専門家や勤務先の人事と相談しながら、自分に合った働き方と社会保険の選択を行うことが大切です。

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