うつ病などの精神疾患によって傷病手当金を受け取った後、復職しても再び体調を崩すケースは珍しくありません。特に復職後に部署異動や給料減額があると、経済的・精神的な負担はさらに大きくなります。この記事では、傷病手当金の再支給条件や支給額の計算方法、給料が下がった場合の影響、生活を守るための選択肢について詳しく解説します。
傷病手当金の再支給は可能か
一度傷病手当金を受給し、復職後に再び体調を崩した場合でも、一定の条件を満たせば再支給が可能です。
再支給の基本条件は、以下のいずれかです。
- 同じ病気で再度労務不能となった場合
- 前回の支給終了から1年6ヶ月以内で、支給日数が残っている場合
同一傷病で支給開始から1年6ヶ月以内であれば、残り日数分の給付が可能です。新たに1年6ヶ月分が追加されるわけではありません。
支給額は直近の給与をもとに計算される
傷病手当金は「標準報酬日額の3分の2」が支給額の目安です。この標準報酬は直近の継続した12ヶ月の平均報酬に基づいて決まります。
復職後に給与が減額されていた場合は、その影響を受けて支給額も下がる可能性があります。
例:復職前の平均月収が30万円→復職後が20万円に減額された場合、再支給分の算出基準は20万円になることが多いです。
再支給の手続きと必要書類
再支給を希望する場合は、会社の人事担当を通じて健康保険組合に申請します。主な必要書類は次の通りです。
- 傷病手当金支給申請書(医師記載欄含む)
- 出勤簿や給与明細など、労務不能の証明となる資料
- 医師の診断書(再度の労務不能理由を明記)
提出後、通常は数週間~1ヶ月ほどで支給決定が通知されます。
生活が厳しい場合の選択肢
給料が下がって生活が苦しい場合、傷病手当金だけで生活が支えられないケースもあります。次のような支援策も検討しましょう。
- 生活福祉資金貸付制度(厚労省)
- 自治体の一時生活支援金
- 失業給付への切り替え(退職する場合)
- 就労移行支援やカウンセリングの利用
心身の負担を軽減するために、無理な復職を繰り返すよりも、一度しっかり療養する選択も大切です。
精神的に限界を感じたら
精神的に追い詰められているときこそ、周囲に助けを求めることが重要です。会社の産業医や公的相談窓口(例:こころの健康相談統一ダイヤル)などに早めに相談しましょう。
また、身近に信頼できる人がいれば、現状を正直に話すことも支えになります。
まとめ:収入減と再発のダブル負担には制度理解と支援活用が鍵
復職後の給与減少により、再び傷病手当金を受ける場合は金額も下がる傾向があります。生活に不安を感じるときは、制度を正しく理解し、他の支援策も積極的に活用していきましょう。
まずは医師や会社の担当者と丁寧に話し合い、自分にとって最善の道を選ぶことが大切です。
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