車を所有している方にとって、不運な事故による“全損”は精神的にも金銭的にも大きなショックです。特に、車検を通したばかりの車が全損になった場合、「支払った税金や保険料はどうなるのか?」と疑問に思うのは当然です。この記事では、車両保険に加入していた場合の保険金の支払いや、車両が引き上げられた後に発生する還付金の仕組みについて、具体的かつ丁寧に解説します。
全損扱いになった場合の車の所有権と保険会社の対応
一般的に、全損と判断された場合は車両保険の保険金が支払われ、その後、保険会社が車両を引き上げて所有権を移す形が取られることが多いです。ただし、契約条件によっては全損車を引き取らないケースもあるため、損保会社の規定を確認することが大切です。
還付されるお金の種類とその請求方法
全損後に還付を受けられる主な費用は以下の3つです。
- 自賠責保険料の未経過分
- 自動車重量税の未経過分
- 自動車税(種別割)の月割分
これらは所有者の名義が変わる「抹消登録(永久抹消または一時抹消)」を陸運局で行うことで還付請求が可能になります。抹消登録が完了していないと、還付の対象外となってしまいますのでご注意ください。
実際の還付額はどのくらい?
例えば、普通乗用車で以下の条件だった場合。
- 自賠責:24か月契約(1年経過)→ 約1万円の還付
- 重量税:24か月分(1年経過)→ 約7,500円の還付
- 自動車税:年間3万4,500円 → 半年分で約1万7,000円の還付
つまり、トータルでおよそ3万5,000円前後が戻ってくるケースもあります。こうした金額は、事故後の費用負担を軽減するうえでも重要な補填となります。
還付手続きをスムーズに進めるための流れ
還付を受けるためには以下の手順が必要です。
- 陸運局で抹消登録手続きを行う
- 自賠責保険会社へ還付請求書を提出
- 運輸支局または税事務所で重量税・自動車税の還付申請
なお、車両を保険会社へ譲渡する場合、保険会社が抹消手続きを代行してくれることもあります。その場合でも、還付の受取人は所有者本人であることが多いため、自身での確認は忘れずに行いましょう。
車検直後に事故が起きた場合の注意点
車検費用そのものは還付の対象ではありません。整備や検査料などは「使用済」とみなされるため戻ってこないのが通常です。
ただし、車検時に支払った法定費用(例:自賠責や重量税など)は、未使用期間が残っていれば還付対象になります。領収書や証明書類は大切に保管しておくとスムーズです。
まとめ:全損後は忘れずに還付申請を。手続きで損をしないために
車が全損になってしまった場合でも、自賠責保険や自動車税、重量税などの還付金は戻ってくる可能性があります。抹消登録の実施と保険会社・行政機関への適切な手続きがカギです。事故のショックが落ち着いたら、忘れずに還付の申請を進めましょう。
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