正社員として働きながら副業を行う方が増えている中で、副業先に求められる個人情報の取り扱いについて疑問を持つ方も少なくありません。特に、基礎年金番号や雇用保険被保険者番号の提出は、副業の存在が本業に知られるきっかけになるのではと心配する方も多いでしょう。この記事では、そのリスクと対応策を分かりやすく解説します。
基礎年金番号の提出は原則必要
副業先での雇用形態がアルバイトやパートであっても、企業は厚生年金の適用要件に該当する可能性がある場合、基礎年金番号の記載を求めてくることがあります。これは、年金の記録を正確に管理し、被保険者資格の確認を行うためです。
ただし、週所定労働時間が20時間未満、かつ年収106万円未満である場合、多くは国民年金第2号への加入対象とならないため、実務的には年金番号の提出が不要な場合もあります。企業によっては雇用契約書に一律で年金番号記載欄を設けているだけの場合もあるため、不明点は正直に問い合わせて構いません。
雇用保険被保険者番号の提出は要件次第
雇用保険の加入条件は「31日以上の雇用見込みがあり、かつ週20時間以上の労働時間がある」ことです。これに該当する副業であれば、副業先でも雇用保険の適用対象となり、被保険者番号の確認が必要になります。
しかし、正社員の本業ですでに雇用保険に加入している場合、二重加入はできません。この場合、副業先は「兼務届」を提出する必要があります。副業先がこの点に詳しくない場合は、雇用保険の対象外であることを伝えることも可能です。
副業のバレを防ぐためにできること
- 住民税の納付方法を「普通徴収」にする:副業の収入が本業に伝わる多くのケースは、住民税の情報からです。確定申告時に「自分で納付」を選択することで防げます。
- 副業先の人事に状況を説明する:正社員であること、本業の会社に副業が知られるのを避けたい旨を伝えた上で、雇用保険や年金加入の必要性があるか確認しましょう。
- 短期・業務委託契約も選択肢:副業先との契約形態をパートではなく、業務委託にすることで、社会保険の手続き自体を避けることが可能です。
記載を拒否することはできる?
企業側が社会保険の適用要件を満たす雇用契約を結ぶ際には、基礎年金番号や被保険者番号の提出は原則義務です。そのため、法的に必要な範囲を超えて提出を拒否することは難しいとされます。
ただし、雇用形態や労働時間によっては不要となる場合もあるため、「この条件で本当に必要か?」という確認はして問題ありません。企業側も個別対応してくれることがあります。
まとめ:副業での情報提供は「条件次第」で調整可能
基礎年金番号や雇用保険被保険者番号は、副業先の雇用条件によっては提出が必要な場合がありますが、週20時間未満の短時間勤務など条件によっては不要な場合もあります。
副業先に確認し、不安がある場合は「住民税の普通徴収」や「業務委託契約」を検討することで、本業に知られるリスクを低減できます。副業の拡大が進む今、自身の権利と義務を知り、賢く働く工夫が求められます。
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