23歳から36歳までの13年間、毎月11,000円ずつ支払い続けてきた第一生命の生命保険を解約したところ、返戻金が約5万円だったというケース。これは珍しいことではなく、むしろ保険の仕組みに沿った結果です。本記事では、そんな状況が起きる理由や解約返戻金の相場、損をせずに解約・見直す方法までを丁寧に解説します。
なぜ13年で返戻金が支払込額より大きくないのか?
生命保険の解約返戻金は「返戻率」で評価されます。返戻率は解約返戻金を支払込保険料で割った割合で、支払い開始初期は返戻率100%未満(損)になることが一般的です。これは保険会社が事務費用・保障リスク・手数料をカバーするためです :contentReference[oaicite:0]{index=0}。
特に保険加入から10年以上経たないと「支払った分だけ」返ってくるかどうかは難しく、13年後の返戻率が40%や50%程度でも珍しくありません。
返戻率が上がるのはいつ?相場は?
時期としては、払い込み終了後から徐々に返戻率が100%を超える可能性が出てくるのが従来型終身保険の一般的傾向です。そのため、契約初期の早期解約ほど損しやすい仕組みとなっています :contentReference[oaicite:1]{index=1}。
加入から10~15年程度で手数料(解約控除)がなくなり、返戻率が支払い総額に近づく(または上回る)ケースが多いです :contentReference[oaicite:2]{index=2}。
今回のケース:支払額に対して5万円は妥当?
仮に13年間で月11,000円を支払った場合、総支払額は約171万円ですが、手数料や保障部分のコストが高いため、返戻金が5万円前後になるのは構造的に自然な結果です。
他社でも同様の支払い期間・商品構成であれば、数%~30%程度の返戻率が目安とされるため、本件の返戻率は数%に過ぎず、むしろ相場内といえるでしょう。
解約前に検討すべき選択肢
早期解約で損を回避するには、次の選択肢も検討が可能です。
- 契約者貸付:解約返戻金の範囲内で借入可能(第一生命にも制度あり) :contentReference[oaicite:3]{index=3}。
- 払済保険への変更:保障額を減らして保険料の払い込みを止めつつ、解約返戻金を資産として保持。
- 保険内容の見直し:保障だけが必要なら掛け捨て商品に変更、貯蓄性が必要なければ積立型商品に移行。
まとめ:現在の返戻金は想定内、次の一手を考えよう
13年間での解約返戻金が5万円だったという事実は、返戻率の仕組みからいえば十分にありうる結果です。損を防ぐためには、まず本人貸付や払済への切り替えなどで現時点の資産価値を保つ選択が有効です。
また、今後の保障や資産運用の目的に応じて、生命保険の見直しや他商品との比較も視野に入れてみましょう。最終的にはライフプランを整理し、専門家に相談するのが安心です。
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