障害基礎年金2級の更新は、精神疾患を抱えながら働く方々にとって極めて重要な手続きです。特に、ASD(自閉スペクトラム症)やうつ病などで休職やリワークを経て復職した場合、等級の継続や更新期間に不安を抱える方も多いでしょう。本記事では、障害基礎年金の更新に関わる判断基準や生活能力判定、就労状況との関係について解説します。
障害基礎年金2級の認定基準と「生活能力の程度」
障害基礎年金2級の精神疾患による認定では、「日常生活能力の判定(生活能力点数)」が重視されます。この点数は診断書に記載され、次のような5段階評価がされます。
等級 | 点数 | 生活の程度 |
---|---|---|
1級 | 1.0~2.0 | 常時の介護が必要 |
2級 | 2.1~3.5 | 日常生活に著しい制限 |
不該当 | 3.6~4.0 | 軽微な支援や配慮程度 |
質問者の診断書にある「3.28点」は2級の基準内にあり、更新継続の可能性は十分ある点数水準です。
就労中でも障害年金は支給されるのか?
就労=支給停止とは限りません。障害年金の受給可否は「働いているか」ではなく、「働くためにどれだけの配慮が必要か」や「生活能力がどれほど制限されているか」によって判断されます。
たとえば、公務員であっても復職前にリワークを利用し、配慮のある勤務体制で勤務している場合は、就労が必ずしも更新に不利とはなりません。
休職歴とリワーク利用の影響
休職期間があり、リワークに通所した経緯は「社会復帰に努力している証拠」とも解釈されます。重要なのは、現在の就労にどの程度の困難が伴っているか、配慮があるかという点です。
また、診断書の内容は医師の所見が重要で、リワーク利用や復職支援の内容を的確に記載してもらうことで、更新審査に有利となるケースがあります。
更新期間は何年ごとか?目安と判断材料
障害年金の更新期間は、基本的に1年・2年・3年など個別に異なりますが、安定就労が見られる場合は1~2年更新になる可能性が高いです。特に精神障害は「改善の可能性」があるとみなされやすいため、短めに設定されやすい傾向があります。
ただし、一定の支援や配慮を要する勤務形態や頻繁な体調不良などが見られる場合は、引き続き2級のまま更新されることも多くあります。
更新時のポイント:医師への伝え方がカギ
診断書の記載内容は極めて重要です。主治医に現状の困難さや配慮されている点、休職歴、リワークなどの背景をしっかり伝えましょう。生活能力判定項目で高い点数が付かないよう、具体的な困難さを正確に伝えることが大切です。
例として「服薬管理が一人でできない」「通勤には家族の送り迎えが必要」「職場で定期的に配慮の面談を受けている」などが挙げられます。
まとめ:年金2級の更新は可能性あり、就労状況の正確な記載がカギ
今回のケースのように、ASDやうつ病で就労しながら障害基礎年金を受給している場合でも、生活能力が著しく制限されていれば2級は継続される可能性があります。
また、更新期間は症状の安定性や支援の有無に応じて判断されます。主治医としっかり連携し、診断書にリアルな現状を反映してもらうことが、スムーズな更新につながります。
不安な場合は、障害年金の専門家(社労士)への相談も有効です。
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