アルバイト収入がある大学生にとって、親の扶養に関わる収入の壁はとても重要です。特に「123万円」「130万円」「150万円」など、よく耳にする金額にはそれぞれ意味があります。この記事では、税制や社会保険制度におけるこれらの基準の違いをわかりやすく解説します。
扶養控除に関する3つの金額の意味
扶養控除の収入基準には、主に3つの壁が存在します。
- 103万円:所得税の扶養控除の対象となるかどうかの基準
- 130万円:健康保険の扶養に入れるかどうかの基準
- 150万円:親の住民税における扶養控除が最大額受けられるかの基準
さらに、大学生であれば「特定扶養親族」として、所得控除額が増える仕組みもあります。
123万円の根拠と特定扶養控除
大学生など16歳以上23歳未満の扶養親族は「特定扶養親族」とされ、親の所得税控除が38万円から63万円に増えます。
ただし、これは子の所得が48万円(収入で言えば103万円)を超えた場合には控除が受けられません。よく言われる「123万円」は、給与所得控除55万円と基礎控除48万円の合計=103万円を超えても、住民税だけの扶養が可能なライン(目安)という意味で使われることが多いようです。
130万円の壁:社会保険の扶養判定
親の勤務先の健康保険に扶養されている場合、「年収130万円未満」であれば原則として社会保険の扶養に入れます(被扶養者)。これを超えると、自分自身で社会保険に加入する必要が出てくるため、保険料の負担が発生します。
なお、勤務形態によっては週20時間以上働くと強制的に加入になるケースもあるため、勤務先の規模にも注意が必要です。
150万円の基準とは?
150万円という数字は、主に「配偶者控除等」の文脈で登場する金額ですが、大学生の扶養に直接関係するのは、住民税の扶養控除の対象かどうかという点です。
130万円を超えて150万円未満であれば、親の住民税上の扶養控除が受けられない場合もあるため、注意が必要です。ただし、これは自治体の基準により異なるため、厳密な判断には確認が必要です。
働き方別にみるおすすめ収入ライン
以下のように働き方に応じておすすめの収入ラインが変わってきます。
収入額 | 扶養控除 | 社会保険 | 税負担 |
---|---|---|---|
~103万円 | ○(親の所得税・住民税) | ○(社会保険扶養内) | なし |
~130万円 | ×(親の所得税) ○(住民税のみ) | ○(社会保険扶養内) | 住民税が発生 |
130万円超 | ×(扶養外) | ×(自分で加入) | 税・保険ともに発生 |
まとめ:自分と親の負担バランスを考えよう
大学生がアルバイトで働く際には、「どの扶養が外れるか」「どこまで税や社会保険の負担がかかるか」を整理しておくことが重要です。
最もバランスが良いのは、年収130万円未満に抑えること。これにより親の社会保険の扶養内にとどまりつつ、住民税のみの負担で済むケースが多いです。
ただし、自治体や勤務先の保険制度によって条件が異なるため、不安な場合は市区町村の窓口や税理士、ファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。
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