知人や家族からお金を借りる際、カードローンを通じた貸し付けだと利息計算が複雑になりがちです。特に複数回に分けて借りた場合、利息発生日も異なり、返済計画を立てにくくなります。この記事では、カードローン経由で借りた資金の返済を進めるにあたって知っておきたい利息計算の考え方や、返済総額の算出方法、そしてトラブルを避けるための借用書の作成ポイントを詳しく解説します。
カードローンからの借入に利息が発生する仕組み
カードローンは基本的に日割りで利息が発生します。借入日ごとに利息の計算がスタートし、完済するまでその日数に応じて利息が積算されていきます。一般的な金利は年利表示ですが、実際の利息は日割りで「元本×金利÷365×日数」という式で求められます。
例えば、50万円を年利15%で30日間借りた場合、利息は約6,164円(500,000×0.15÷365×30)となります。これが複数の借入となると、それぞれの借入金額と日数に基づいて個別に計算が必要になります。
複数回借り入れた場合の返済計画の立て方
借入が2月1日、2月15日、5月1日、5月15日など異なる日付で行われた場合、それぞれに対して別個に利息計算を行い、毎月の返済額から元本と利息に分配していく必要があります。
たとえば以下のようなケースを考えます。
- 2月1日:50万円
- 2月15日:50万円
- 5月1日:30万円
- 5月15日:20万円
合計借入額:150万円、年利15%。返済額:毎月32,000円。この場合、元本に対してまずは利息を充当し、残額が元本返済にあてられます。
このような分割返済は、アモチゼーション(償還計画)と呼ばれる方法で、スプレッドシートや専用のローン返済シミュレーターを使うと、月ごとの残債・利息・元本を把握しやすくなります。
返済期間と最終返済日の計算方法
毎月の支払いが一定額(元利均等返済)であれば、Excelや無料ツールを活用して、完済までの期間をシミュレーション可能です。ネット上には「カードローン返済シミュレーター」や「ローン残高計算機」などの便利なツールがあり、借入日や金額、金利、毎月の支払額を入力するだけで最終返済月までの予定が確認できます。
複数借入がある場合、手計算では難しいため、表計算ソフトや返済計算専用のアプリを活用しましょう。
借用書に盛り込むべき重要な項目
お金の貸し借りではトラブルを避けるため、借用書の作成が非常に重要です。特に第三者(銀行など)から資金を調達して貸したケースでは、その点も明記しましょう。
借用書に記載すべき主な項目。
- 借入人・貸主の氏名と住所
- 借入金額と借入日
- 返済方法(月々の返済額・回数)
- 金利(実質年率)とその根拠(カードローンによる等)
- 利息の計算方法(日割り or 月割り)
- 返済期限と遅延損害金
- 連帯保証人がいる場合はその情報
- 署名・捺印・日付
借用書は印紙税の対象になる場合がありますので、1万円以上の金銭の貸借であれば200円の収入印紙を貼ると安心です。
実例:Excelでの返済計算の基本構造
以下のような表を作成することで、月々の返済スケジュールが組みやすくなります。
月 | 残高 | 利息 | 元本返済 | 月額返済 |
---|---|---|---|---|
2024/7 | 1,500,000円 | 18,750円 | 13,250円 | 32,000円 |
2024/8 | 1,486,750円 | 18,584円 | 13,416円 | 32,000円 |
利息=残高×0.15÷12で算出し、返済額から利息を引いた分が元本の減額となります。
まとめ:計画的な返済と書面化が信頼関係を守る鍵
カードローンを通じた借入でも、しっかりと返済計画を立て、利息の計算方法を把握することで、スムーズな返済が可能になります。また、借用書を適切に作成しておくことで、将来的なトラブルを未然に防ぐことができます。
不安な場合は専門家(司法書士や行政書士など)に相談し、第三者視点からの確認を受けるのも一つの方法です。借りる側・貸す側双方にとって安心できる関係づくりを心がけましょう。
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