社会人として働き始めて間もない方にとって、初めて「社会保険に加入した月」の手取り額を見て驚くことは少なくありません。特に、額面給与が増えたのに手取りが大きく減っていた場合、「これだけ差し引かれるの?」と疑問に感じるのは当然です。本記事では、社会保険加入に伴う手取り減少の理由や給与明細の見方、今後の注意点について詳しく解説します。
社会保険加入による控除の内訳
社会保険に加入すると、給与から次の5つの保険料が天引きされるようになります。
- 健康保険料
- 厚生年金保険料
- 雇用保険料
- 介護保険料(40歳以上のみ)
- 所得税・住民税
これらは法定控除と呼ばれ、会社側と本人が折半で支払います。加入前は雇用保険と所得税のみが差し引かれていた場合、社会保険に加入することで控除額が大幅に増えるのです。
大阪府の場合の保険料例(2024年)
たとえば大阪府の保険料率で月収26万円の場合、概算で以下のようになります。
項目 | 控除額(目安) |
---|---|
健康保険 | 約13,000円 |
厚生年金 | 約24,000円 |
雇用保険 | 約780円 |
所得税 | 約4,000〜6,000円 |
住民税(課税開始後) | 約5,000〜10,000円 |
合計で約45,000円〜53,000円程度の控除が見込まれ、結果として手取りが17万円前後になるのはごく一般的なケースです。
過去との比較で「多く引かれた」と感じる理由
社会保険未加入の期間中は、控除額が非常に少なく、手取りが多く見える仕組みです。
たとえば額面20万円で控除が雇用保険と所得税の合計5,000円程度だった場合、手取りは約195,000円。社会保険に加入している人より手取りは多く見えますが、将来的な年金や医療保障の面では不利となります。
時給アップが反映されていない可能性も
記事内で言及されているように、時給アップが給与明細に反映されていない場合は「本来より額面が低い可能性」もあります。
- 4月の給与が実質3月分の勤務で算定されている
- 新時給が反映されるのは5月給与以降
- 時給変更が管理部門に通知されていない
このようなケースも多いため、給与明細が発行された際には「支給対象期間」「時給単価」「支給時間数」を必ずチェックしましょう。
給与明細で確認すべきポイント
手取り額に違和感を感じたときは、以下の項目を確認してみましょう。
- 支給額の内訳(基本給・残業代・手当など)
- 控除額の内訳(保険料・税金・その他控除)
- 差引支給額(実際の振込額)
- 勤怠情報(勤務日数・労働時間)
自分の理解と異なる点があれば、遠慮なく会社の総務や人事部門に相談することが大切です。
まとめ:社会保険加入による手取り減少は「仕組み通り」
給与が急に減ったように感じると戸惑うものですが、社会保険に加入することで将来の年金、医療費、失業給付といった面で多くの保障を得られるようになります。手取りが減ったからといってネガティブに捉える必要はありません。
まずは給与明細で内容を確認し、納得できるまで理解を深めることが社会人としての第一歩です。今後の生活設計や保険の見直しにも役立つ知識となります。
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