パートで働いていると「社会保険の加入は何時間から?」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。特に週20時間と30時間の違いは制度的に意味が異なるため、きちんと理解しておくことが大切です。この記事では、パートタイムの労働時間と社会保険の関係をわかりやすく整理して解説します。
社会保険に加入する基準は基本的に週20時間以上
2016年以降、社会保険の適用が拡大されたことで、週の所定労働時間が20時間以上であれば、一定の条件を満たしたパートでも社会保険(厚生年金・健康保険)に加入できるようになりました。
対象となるのは以下の条件をすべて満たす方です。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 月額賃金が88,000円以上
- 勤務期間が2ヶ月超の見込み
- 学生でないこと
- 従業員数101人以上の企業(2024年10月からは51人以上)
つまり、週20時間を超えるかどうかが加入のボーダーラインとなります。
週30時間は“フルタイム相当”の基準
一方で、週30時間以上働く場合は「一般被保険者」とみなされ、勤務先の規模や月額給与にかかわらず社会保険に原則加入となります。
これは“常時雇用者の4分の3以上の所定労働時間”に該当するためです。たとえば、正社員の所定労働時間が40時間/週であれば、その4分の3は30時間です。
そのため、週30時間以上働くパートは、ほぼ無条件で社会保険の対象になります。
加入の有無でどんな影響がある?
社会保険に加入すると、厚生年金と健康保険に加入することになります。これにより、保険料を支払う分、以下のようなメリットも得られます。
- 将来の年金額が増える
- 扶養に入れないが、自分で健康保険が使える
- 出産手当金・傷病手当金の対象になる
一方で、保険料の天引きがあるため手取りは減ります。収入と生活のバランスを考慮した判断が必要です。
20時間未満の働き方にもメリットはある
週20時間未満であれば、社会保険に加入する義務はありません。扶養内で働きたい人や、社会保険料の負担を避けたい人にとってはメリットがあります。
ただし、将来的な年金額や保障制度の恩恵は小さくなる点に注意が必要です。
実際の例で理解を深めよう
例1:週25時間勤務で月10万円のパート主婦(従業員101人以上) → 社会保険の加入対象です。
例2:週18時間勤務の大学生アルバイト → 所定時間未満であり、また学生なので対象外です。
例3:週32時間勤務で月12万円のパート → 勤務時間がフルタイムの4分の3以上なので、自動的に加入対象となります。
まとめ:20時間と30時間の境界を理解して自分に合った働き方を選ぼう
社会保険の加入において、週20時間は「加入の最低ライン」、週30時間は「原則加入」の境界です。自分の働き方とライフプランに合わせて、どちらがベストかを見極めましょう。
将来の保障や手取りの違いも考慮して、納得のいく働き方を選んでください。
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