自動車保険において複数年契約を選ぶことで、契約期間中は一定の保険料で安心して利用できるというメリットがあります。しかし、契約途中で車を買い替えた場合、保険料がどうなるのか気になる方も多いのではないでしょうか。本記事では、契約中の車両変更と保険料改定の関係を詳しく解説します。
複数年契約とは?保険料が固定される仕組み
自動車保険の複数年契約は、1年ごとの更新が不要で、契約時に決めた保険料を期間内は維持できる仕組みです。東京海上日動などでは「トータルアシスト自動車保険」などの名称で提供されています。
この固定された保険料は、契約時点の車両情報・運転者情報・料率クラスなどを基に計算され、原則として契約期間中に保険料が変動することはありません。
車両を買い替えた場合の影響
契約期間中に車を買い替えると、保険会社に車両入れ替えの手続きを行う必要があります。この際、新しい車の車種・年式・用途・車両保険の設定金額などに基づいて、保険料が再計算されます。
たとえば、コンパクトカーから高級車に買い替えた場合、車両保険の補償金額が上がり、それに伴って保険料が増額されるケースが一般的です。逆に、買い替え後の車が安全性能の高い車両や料率クラスが低いものであれば、保険料が減額されることもあります。
保険料改定の影響は受けるのか?
2024年や2025年のように、自動車保険業界全体で料率改定(値上げ)がある場合でも、複数年契約の保険料は契約時点の料率で据え置かれます。ただし、車両入れ替え時は、あくまで「その時点の条件」に基づいて保険料が再計算されます。
つまり、料率改定が行われた後に車を入れ替えると、その新しい料率が適用される可能性が高く、結果として保険料が上がる場合もあります。
具体例で見る:車両入れ替えによる保険料変動
以下は保険契約者が契約中に車を買い替えた場合の一例です。
契約時の車両 | 買い替え後の車両 | 保険料の変化 |
---|---|---|
トヨタ ヴィッツ(2018年式) | トヨタ プリウス(2023年式) | +9,500円/年 |
ホンダ N-BOX(2021年式) | スズキ アルト(2024年式) | -3,200円/年 |
このように、買い替える車種の違いや料率改定のタイミングにより、保険料は増減します。
保険料変更に納得できない場合の選択肢
車を買い替えた結果、保険料が大幅に上がってしまった場合、現在の契約を中途解約し、新たに別の保険会社で契約し直すことも可能です。ただし、中途解約時には解約返戻金の計算方法や違約金の有無など、確認すべき点がいくつかあります。
まずは現在の保険会社に連絡し、車両変更後の試算結果を確認しましょう。納得できる内容であれば継続、そうでなければ他社比較を検討するのも一案です。
まとめ:複数年契約中でも車両変更で保険料は変わる
複数年契約のメリットは保険料の安定性ですが、車両の買い替えという大きな変更があった場合には、その時点の料率や車両条件で保険料が見直されるという仕組みがあります。これは契約全体の再構成ではなく、変更点に対する適正な見直しであると言えるでしょう。
今後、保険料改定が予定されているタイミングで車両の買い替えを検討している方は、タイミング次第で支払い総額に差が出ることもありますので、保険会社に事前確認をとるのが安心です。
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