名義人が故人のままの家に火災保険はかけられる?相続未了時のリスクと対応策

保険

相続登記が済んでいないまま、故人名義の家に住み続けている家庭も少なくありません。そのような状況で火災保険に加入できるのか、不安に感じている方も多いでしょう。特に、火災や自然災害が多発する近年、無保険状態で生活するのは大きなリスクです。この記事では、相続登記が未了でも火災保険に加入できるのか、どうすればいいのかを解説します。

火災保険は原則「所有者」が契約する

火災保険の契約者は原則として「建物の所有者」でなければなりません。所有者とは法的に登記されている名義人を指すのが基本であり、登記上の名義が故人のままの場合、そのままでは保険会社との契約が難しいことが多いです。

ただし、相続人であれば契約が可能な場合もあります。保険会社によっては「相続人代表として加入する」ことが認められるケースもあり、その場合は一定の書類提出が必要になります。

名義人が故人の場合に火災保険に加入する方法

相続手続きが終わっていない場合でも、相続人の1人が契約者として火災保険に加入する方法があります。この場合、保険会社によっては以下の書類が求められます。

  • 死亡診断書や戸籍謄本(故人の死亡と続柄がわかるもの)
  • 相続人であることを証明する書類(戸籍など)
  • 申立書(他の相続人の同意がないことを明記)

この方法で加入した場合、補償の対象は「現にその建物を所有・使用している相続人」となるため、住んでいる本人を契約者にしておくことが重要です。

相続登記を放置するリスク

相続登記をしていない状態は、保険だけでなくさまざまなトラブルの原因になります。たとえば。

  • 売却・賃貸などの不動産取引ができない
  • 建て替えやリフォームでローンを組めない
  • 今後の相続でトラブルが拡大する可能性がある

2024年4月からは相続登記の義務化が始まり、怠った場合には過料(最大10万円)も課される可能性があるため、できるだけ早く対処するのが望ましいです。

実際の加入例と注意点

実際に「父の名義のままの家」に住み続けていた40代男性が、火災保険に加入できた例があります。このケースでは、火災保険会社に事情を説明し、故人の死亡と相続人であることを示す戸籍謄本、使用者としての居住証明(公共料金の請求書など)を提出して加入できました。

ただし、保険金請求時にはトラブルになるリスクもあるため、あくまで「暫定的な措置」として考えるべきです。

まとめ:火災保険に入る前に相続手続きの準備を

名義人が故人のままでも、相続人が火災保険に加入できる場合はありますが、それには条件や書類提出が伴います。長期的には、速やかな相続登記がもっとも安心できる対応です。登記が完了していないからといって火災保険に入れないわけではないので、まずは保険会社に相談しつつ、同時に司法書士など専門家に相続の相談を始めることをおすすめします。

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