扶養内でアルバイトをしている大学生の方にとって、「一時的に月収が9万円を超えるとどうなるの?」というのは不安なポイントです。この記事では、所得税・住民税・社会保険の各観点から、月9万円を超えたときに本当に扶養から外れるのか、何か対応が必要なのかを詳しく解説します。
「扶養」の種類は2つある
まず確認しておきたいのは、「扶養」には以下の2種類があるということです。
- ① 税法上の扶養(年収103万円以内など)
- ② 社会保険上の扶養(親の健康保険に入っている場合)
それぞれに判断基準が異なるため、収入が増えた場合の影響も別々に考える必要があります。
税金面の扶養は年間ベースで判断される
税法上の扶養(いわゆる103万円の壁)は、「年間の合計所得」で判定されるため、6月に9万円を超えても、他の月が抑えられていれば扶養内にとどまることが可能です。
例:他の月が7万円前後で、年収が103万円以内におさまっていれば、親の「扶養控除」は継続されます。
つまり、一時的な月超過では扶養が即解除されることはありません。
社会保険の扶養は「見込み収入」で判断
親の健康保険の扶養に入っている場合は、今後の見込み年収が130万円未満(学生なら180万円未満)かどうかで判断されます。
また、勤務先での労働時間や収入が一定の基準を超えると、自分で社会保険に加入しなければならない場合もありますが、以下の条件を満たさなければ基本的に加入義務はありません。
- 週20時間以上勤務
- 月収8.8万円以上
- 継続見込みが2カ月以上
- 勤務先が101人以上の企業 など
月9万円の収入が「単発」や「夏休みだけ」といった一時的なものなら、見込み収入としては加味されにくく、扶養を外れるリスクは低いと考えられます。
実際の対応:なにをすべきか?
月収が9万円を超えても、下記の対応ができていれば安心です。
- 年間収入が103万円以内(税扶養)に収まるよう、他の月の収入を調整する
- 親の健康保険の被扶養者の条件(年間130万円未満 or 学生なら180万円未満)に収まるか確認
- アルバイト先で社会保険の加入基準に該当していないかを再チェック
1カ月だけの超過であれば、多くのケースで特別な対応は不要ですが、何カ月も続けて高収入が続くようなら、事前に家族や勤務先に相談するのが無難です。
よくある誤解と注意点
・「1カ月だけ9万円超えたら即扶養から外れる」は誤解です。税金も保険も年間ベースで判断されます。
・親の会社や健康保険組合によって、扶養判定が厳しいケースもあります。必要なら健康保険証を発行している団体へ相談しましょう。
まとめ
大学生がバイトで1カ月だけ9万円を超えても、基本的に「扶養から即外れる」ことはありません。税法上の扶養は年間103万円以内、社会保険上の扶養は見込み収入が年間130万円未満(学生は180万円未満)かどうかで判定されます。
今後の収入が増えすぎそうな場合は、早めに調整し、家族や勤務先と共有しておくことで安心してバイトを続けられます。
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