会社を退職してすぐに新しい職場へ転職した場合、前の職場と新しい職場での社会保険料の支払い時期や対象期間が気になる方は多いはずです。給与明細に記載された保険料がどの期間のものなのか、転職月の給料で二重に引かれるのかなど、複雑に見える仕組みをこの記事でわかりやすく解説します。
社会保険料の「給与天引き」の仕組みを理解しよう
まず大前提として、社会保険料は「翌月払い」が基本です。つまり、4月の給料からは3月分の社会保険料が差し引かれていることになります。たとえば「20日締め・月末払い」の場合、4月末に支払われる給料からは3月21日〜4月20日勤務分の給与と、3月の社会保険料が引かれる形です。
このため、4月20日で退職し、4月末に前職から給料を受け取った場合、その給料に含まれる社会保険料は3月分ということになります。
退職後の保険料はどうなる?切れ目なく働く場合
今回のように4月21日から新しい職場で働き始めた場合、保険加入が切れ目なく続くことになります。新しい職場での社会保険加入日は通常「入社日=4月21日」となるため、4月分の保険料は新しい職場から差し引かれることになります。
つまり、退職前の職場では3月分、新しい職場では4月分の社会保険料がそれぞれ引かれるため、「重複」ではなく、それぞれの期間に対応する正当な負担です。
新しい職場での最初の給料と保険料の関係
新しい職場が「月末締め・翌月25日払い」の給与体系の場合、5月25日に支払われる給料は4月21日〜4月30日までの給与(在籍期間分)になります。この給与からは、4月分の社会保険料が引かれることになります。
前職と新職場でそれぞれ別月の保険料を負担する形となるため、制度上の不公平や損というわけではありません。
実例:転職時の社会保険料スケジュール
期間 | 在籍企業 | 保険料負担月 | 保険料引かれる給与 |
---|---|---|---|
3月 | 前職 | 3月分 | 4月支給分 |
4月 | 新職場(4/21〜) | 4月分 | 5月支給分 |
このように、4月は2社にまたがって働いたとしても、社会保険料は月単位で管理されるため、加入していた期間分のみが各社で請求される仕組みです。
保険証の切替や手続きも忘れずに
退職と入社の間に空白がない場合でも、保険証の返却・切替は必要です。新しい職場から発行される健康保険証が届くまでは、前職の保険証を使用しないように注意しましょう。万一医療費を立て替えることになった場合は、後日払い戻しが受けられるケースもあります。
また、退職から入社までの間に数日でも空白期間がある場合は、国民健康保険・国民年金への加入が必要になる可能性もあるため、市区町村窓口で確認を行いましょう。
まとめ:社会保険料は勤務月で決まる、重複にはならない
社会保険料は「その月に在籍していたかどうか」で発生するものであり、給与の支払いタイミングではなく、「対象月」で判断されます。今回のようなケースでは、前職では3月分、新しい職場では4月分がそれぞれ差し引かれ、二重に払うわけではありません。
転職時には給料明細や在籍期間をしっかり確認し、納得のいく形で保険料の仕組みを理解しておくことが大切です。
コメント