ATMを利用していて「なぜ1,000円札と10,000円札しか出てこないのだろう?」と疑問に感じたことはありませんか。特に5,000円だけを引き出したいときなど、選択肢の少なさに不便を感じることもあるでしょう。本記事では、なぜ日本のATMでは5,000円札があまり出ないのか、その背景と理由について解説します。
ATMに搭載できる紙幣の種類には限りがある
ATMの中には、紙幣を収納するカセットと呼ばれる装置が搭載されています。このカセットにはそれぞれの紙幣の種類ごとにスロットが必要で、通常3〜4つ程度が限界です。
そのため、多くの銀行では取引件数の多い1,000円札と10,000円札の2種類に絞って運用しており、5,000円札は省かれてしまうケースが多いのです。
5,000円札の流通量が少ないという実情
日本銀行の統計によると、市中で使われる紙幣の中で5,000円札は最も発行枚数が少ない部類です。2024年時点でも、1,000円札や10,000円札に比べると圧倒的に少ないため、ATMでの需要も低いとされています。
つまり「利用者のニーズが高くない」という経済合理性が、5,000円札をATMから外す要因の一つになっているのです。
一部のATMでは5,000円札が引き出せる場合もある
例外的に、都心部の大型支店や一部の地方銀行、信用金庫のATMでは、3種類の紙幣を扱う高性能ATMが導入されていることがあります。このような機種では5,000円札を含む出金が可能な場合もあります。
ただし、操作画面で金種選択ができなかったり、あらかじめ用意された組み合わせでしか出金できないケースがあるため、完全に自由な金種指定はできないのが現実です。
海外のATM事情との比較
海外では、ATMから20ドル札や50ユーロ札などが出る国も多く、日本のATM事情と大きく異なります。アメリカでは20ドル札が標準的で、ヨーロッパでは高額紙幣の使用を制限する政策から、50ユーロ札までしか出ない国もあります。
一方、日本では10,000円札の利用頻度が高く、紙幣の信頼性や偽造防止の観点からも高額紙幣の使用が定着しているのです。
どうしても5,000円札が必要なときは?
銀行窓口やコンビニATMでも一部店舗では5,000円札を扱っていることがあります。また、店頭で10,000円札を使ってお釣りで5,000円札をもらうなどの方法も現実的です。
加えて、ネット銀行の一部では金種指定機能があるので、対応ATMを調べて利用するのも一つの手段です。
まとめ:ATMの運用は利便性とコストのバランスで決まる
ATMで5,000円札が出ない主な理由は、搭載できる紙幣の種類に限りがあることと、5,000円札の流通量が少ないことです。ATMの利便性は日々向上していますが、運用コストとのバランスも考慮されているため、全ての紙幣に対応するのは難しいという現状もあります。
どうしても5,000円札を手に入れたい場合は、対応ATMの活用や銀行窓口での対応を検討しましょう。
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