退職後すぐに次の仕事が決まっている場合でも、短期間とはいえ「無保険期間」が発生する可能性があります。この記事では、就職まで2週間程度の空白があるケースで国民健康保険(国保)の手続きが必要なのか、どんなリスクがあるのかをわかりやすく解説します。
健康保険は「日単位」で切り替えが必要
退職すると、会社の健康保険(社会保険)は退職日の翌日をもって資格喪失となります。そのため、6月30日付けで退職した場合、7月1日からは別の保険に加入している必要があります。
次の職場の入社日が2週間後であれば、その間の空白期間は「無保険状態」となり、医療費は全額自己負担となる可能性があります。
選択肢1:国民健康保険に加入する
空白期間がある場合、もっとも一般的な方法は国民健康保険への加入です。これはお住まいの市区町村で手続きします。
加入手続きには以下のものが必要です。
- 退職日がわかる書類(離職票や退職証明書)
- 本人確認書類
- マイナンバー
保険料は日割りではなく月単位でかかるため、2週間しか使わない場合でも1ヶ月分の保険料が発生します。ただし、保険料の減免制度が使える場合もあるため、自治体に相談するのがおすすめです。
選択肢2:任意継続被保険者制度を使う
会社の健康保険を退職後も最長2年間継続できる「任意継続被保険者制度」もあります。
以下の条件を満たしていれば、任意継続を選択することも可能です。
- 退職前に2ヶ月以上その会社の健康保険に加入していた
- 退職後20日以内に手続きを行う
任意継続は保険料が全額自己負担(会社負担分も含む)となるため割高になることがありますが、扶養家族が多い場合や保険内容を継続したい場合は検討の価値があります。
2週間だけなら手続きしなくてもいい?そのリスク
「どうせ2週間だけだし、病院も行かないから」と思って保険に入らず放置するのは非常に危険です。たとえば突然の怪我や発熱で医療機関を受診すると、全額自己負担(10割負担)になってしまうからです。
しかも、後から保険加入をしても過去に遡って医療費を補填することは原則できません。つまり、無保険期間中にかかった医療費は自己責任になります。
実例:2週間の空白で10万円の出費に
ある30代会社員は6月末で退職し、7月中旬に転職。保険の切り替えをしていなかったところ、7月上旬に急性虫垂炎で入院。治療費が10万円以上かかり、後から国保に加入しても遡って補償されず、全額自己負担となりました。
このような事例からも、短期間の空白であっても保険未加入のリスクは非常に高いといえます。
まとめ:短期でも保険の空白期間は避けるべき
・退職後は翌日から保険の空白期間が発生する
・次の職場の保険に入るまで2週間以上ある場合、国保加入や任意継続が必要
・医療リスクに備えるためにも、無保険期間は作らないのが鉄則
・短期間でも月単位の保険料がかかるが、医療費全額負担と比べれば安く済む
退職から就職までのスキマ期間、油断せずに保険の手続きを行うことで、万一の事態にも備えることができます。
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