扶養内でパート勤務をしていた方が、年度途中で正社員に転職・就職するケースは多くあります。その際「年明けから正社員になる前の数ヶ月間、扶養の条件を守らないと何か不都合があるのか?」と不安に思う方もいるでしょう。本記事では、扶養からの切り替えに伴う注意点を解説しながら、損をしないための働き方を紹介します。
扶養とは?年収基準と社会保険・税金の違い
「扶養」とひとくちに言っても、税法上の扶養と社会保険上の扶養では条件が異なります。税法上は103万円、社会保険上は130万円が年収の基準となります。
例えば、年収130万円を超えると、配偶者の健康保険から外れ、自分自身で保険に加入する必要があります。一方、年収103万円を超えると、配偶者の「配偶者控除」がなくなり、税額が増えることもあります。
12月~3月に扶養内で働かないと問題になる?
結論から言うと、「社会保険上の扶養」に関しては、月収ベースで判断されるため、特定の月に8.5万円を超えても、それが一時的であればすぐに扶養を外されることはありません。
ただし、継続して月収が108,334円(年収130万円)を超えると見なされると、扶養から外れて自身で保険料を支払う必要が出てきます。正社員として働く月が4月以降であっても、その前の月に収入が高く、かつその状態が続くと判断された場合には、遡って扶養から除外されるリスクもゼロではありません。
就職が決まっている場合の扶養内勤務の注意点
例えば、4月から正社員として勤務する契約が決まっていて、社会保険加入が確実な場合、12月~3月までの収入が一時的に高くても、問題になることは少ないです。
ただし、健康保険組合によっては「今後の見込み収入が130万円を超える」と判断されると、事前に扶養から外れるよう指示されるケースもあります。就職が決まっている場合は、配偶者の加入する保険組合に相談するのがベストです。
年収基準で見る扶養の影響と税金の違い
年収 | 扶養の種類 | 影響内容 |
---|---|---|
103万円以下 | 税法上の扶養 | 配偶者控除が受けられる |
130万円未満(月108,334円以下) | 社会保険上の扶養 | 配偶者の保険に加入できる |
130万円以上 | 扶養から外れる | 自分で保険加入・保険料負担 |
正社員として働くと年収130万円を超えるため、基本的には4月以降は自動的に扶養から外れます。ただし、年度ごとの扶養判定(特に税務上)では、その年のトータル年収が重要になるため、12〜3月の収入が多すぎると想定以上の税負担になる可能性もあります。
正社員になる前にやっておきたい手続きと確認
- 配偶者の加入している健康保険組合に「いつから外れるか」を事前確認
- 源泉徴収票の控えを保管し、年末調整や確定申告で確認
- 短期的な勤務(年明けの数ヶ月)での収入は、雇用契約上も「一時的」であることが重要
扶養のまま働き続ける意思があるなら、4月以降の就職先での社会保険加入タイミングも確認しておくと安心です。
まとめ:年明けの扶養内勤務は状況次第でOK
12月から3月までの期間を扶養内(8.5万円以内)で働くかどうかは、以下のポイントを押さえれば安心です。
- 年収130万円未満なら社会保険上の扶養継続が基本
- 正社員としての勤務が決まっていれば一時的な収入増は問題になりにくい
- 不安な場合は健康保険組合に事前相談を
短期間だけの収入増で扶養から外れるのは稀ですが、判断基準は各保険組合や税務の基準によるため、事前確認が確実です。
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